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最先端モノマネ番組『モノマネMONSTER』は「真剣勝負となると気持ちが引き締まる」
芸人・ほいけんたの代名詞といえば、“お笑いモンスター”明石家さんまのモノマネだ。東京出身で「最初は関西弁が話せなかった」ほいだが、さんまの言葉を繰り返し聞きモノマネしていくことで「自然に話せるようになって、関西のお客さんに『出身は関西のどこですか?』って聞かれるようになりました」と関西の人からお墨付きをもらうほど完璧に習得した。近年ではさんまの再現ドラマで“さんま役”に起用されて好評を得ている。
忠実にさんまを再現しているからこそ、さんまがテレビやラジオで話す新しいフレーズやトピックも欠かさずチェックし、常に最新情報を取り入れ進化させてきた。それでも「まだまだ研究の途中ですし、思考回路まで寄り添うことで、本物のさんまさんのように感じてもらいたい」との思いも強い。過去には『ひょうきん族』や『男女7人夏物語』、現在も『さんま御殿』までくまなく見ており、「さんまさんと絡んでいる俳優や芸人が僕とバラエティーで共演したときに、同じくだりをできるようにしています。だって、誰よりもさんまさんが一番チェックしてるから、上手くできなかったら『なんでちゃんとでけへんねん!』ってダメ出しをされちゃいます(笑)」とご本人の厳しいチェックを受けながら、日々アップデートしている。
“反則ギリギリテク”で一気に大ブレイク 西川貴教や郷ひろみとのコラボに感激
さんま以外にも、どのくらいレパートリーがあるのか尋ねると「すごいたくさんあるんですけど、テレビでそんなにやる機会がなかったし、営業とかのステージで披露するのは“スタメン”ネタばっかりで。ベンチに座らせている2軍や3軍のネタもたくさんあります」と期待を抱かせる。ただ「そうやってベンチで眠らせてたら、最近は若いファンの人も増えてきてくれたので、元ネタが全然わからないでしょうね」と賞味期限の難しさを感じながらも、若い世代に人気が広がっていることに笑顔を見せた。
若者へのブレイクのきっかけとなったのは、音程を外さずにカラオケを歌って“レンチャン”していく番組で、歌詞とは違う言葉ながらも音程は合わせるという反則ギリギリのテクニックだ。「からだぐぅ〜」や「いーつーまーでぇームゥー」、さらに「くるっくぅ〜」などのフレーズがSNSで大拡散した。
「からだぐぅ〜」の元ネタとなった曲「HIGH PRESSURE」を歌うT.M.Revolutionの西川貴教からも“公認”をもらい、テレビ番組での共演はもちろん、彼が主催する滋賀県の大型フェス『イナズマロック フェス』にゲスト出演し、主役の西川と「ホイプレッシャー」を一緒に歌う快挙も成し遂げている。
「本人との共演でいうと、僕が昔からモノマネをしている郷ひろみさんと一緒に歌わせていただいたこともあります。スーパースターの郷さんと至近距離で並ばせていただいて、目があったら“視線のレーザービーム”くらっちゃいまして(笑)。これからもモノマネをやらせていただいていいですかって聞いたら、『もう全然やってくださいよ』って、カッコよかったですし、うれしかったですね」
「子どもたちが喜ぶようなショーをやっていきたい。笑顔は自分のエネルギー源なんですよ」
「僕にとってモノマネって芸というだけじゃなくて、目の前にいる人を楽しませるための手段であって、自分の根底にあるのは『人を笑顔にしたい』っていうことなんです。これは芸人になる前の幼少期からずっと僕の中にあるもので、目の前の人が笑ってくれると自分がうれしくなるから、もっと笑わせたいし笑顔にしたい。そのために僕はモノマネ以外にもマジックやパントマイム、バルーンアートもやって、『カラオケで100点を出す方法』っていう本まで出して(笑)。とにかくいろんなことをやって、子どもからお年寄りまで楽しんでもらって、その笑顔からエネルギーをいただいてます」
最近は特に子どものファンが増えているようで、ほいが地方のイベントに行くと大勢の子どもたちが集まり、「鬼レンチャンをがんばってください」「ノドを大切にしてください」などと書かれたファンレターを受け取ることも増えたという。「それがすごく励みになって、もっと子どもにも楽しんでもらえるネタを作ろうって頑張れます。僕は地方に行ったら自分からステージを降りて、けっこうお客さんと触れ合ったりする時間を作っているのですが、みんな喜んでくれるし思い出にも残ると思うんですよね。だから、応援してくれる子どもたちがいる限り、彼らが喜ぶショーを続けたい」と真剣な表情で語った。
還暦を目前にしても、ほいけんたは挑戦を続ける。「目の前にいる人が笑ってくれないと気になってしまう。だからこそ、笑顔は自分のエネルギー源なんですよ」と、観客の反応に敏感に応えることで、次の世代にその笑いと喜びを伝え続けていきたいという強い意志が感じられた。ファンとの笑顔の共有、次世代との笑顔のバトンが、ほいけんたの活動を支え、未来に向けた希望を作っていく。
(取材・文/ストーム・イガラシ)
※取材の模様は、1日放送の『ライターズ!』(日本テレビ/深1:30)でもご覧いただけます。
12月2日(月)