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しゃべくり漫才師が生み出す“言葉のグルーヴ”
「出た!ライターズ!!そしてマイティと言えば、マイティ井上!いやー、いきなりツカミで静まり返るという。これが、まさに戦慄の瞬間ですよ」
もはやツカミがウケるかどうかなど関係ないかのような勢いで、収録開始1秒で展開される“岡田ワールド”に自然と引き込まれていく。
「私の芸は基本的に戦慄の瞬間、危機一髪の連続。“まる見え”でも、所さんとたけしさんがいる前で、いかにVTRを受けて面白いコメントを言うか。常にその勝負です。結果、お2人が全然笑ってない…って、こら!」
岡田は続けて、「私、今回“まる見え”代表として番宣してきてくださいと頼まれましたが、前回(まる見えに)出たのが6年前ですよ!『岡田さん、よく出演されているから〜』って全然呼ばれてないっちゅーねん。普通のタレントやったら怒る人もいてますよ…でも、私は出ます。すぐ出ます!なんなら、ここでも爪痕残そうと思ってます」と笑いを誘う。
お笑いが世間に浸透して“しゃべくり漫才”という単語も多くの人が知るようになったが、絶え間ない言葉の波とリズムによって生み出されていくグルーヴこそ、その醍醐味だろう。ひと言、ひと言のアクセント、声質、音圧にも意味がある。これは、やはり生で味わってこそだ。
「今回の“まる見え”も、どのVTRもハラハラドキドキ、しゃれならんくらい、やばい。特にバングラデシュの列車。私が上京して初めて乗った京王線。人で膨れてこれはヤバいぞと思ったけども、そのパンパンさをはるかに超えるバングラデシュ!人間の生命力が詰まってるわ。これだけでも見てちょうだい!」
しっかり番組の見どころを宣伝する岡田に、自身の一番の“危機一髪”をたずねてみた。
「私の芸は常にハラハラドキドキ、土俵際の芸ですから。でも、特に印象に残っているのは、やっぱり初舞台。緊張しすぎて、相方・増田の最初のネタ振りにツッコむという緊急事態ですよ。『暑いな〜、海にやってきたぞ』で『なんでやねん!』と。相方もお客さんもぽかんとして、その後は私、頭真っ白!」
殺伐としていた初期の『M-1』 「ハッピーボーイ」復活か?
「見返すと、やっぱり画面が殺伐としてますね。出番を待つ間も、他の人らのネタなんて一切見ずに、とにかく楽屋で集中して、本番でドンっと。今はだいぶ華やかで、ドキュメントとかもやってるやん。でも、漫才師って裏側とか、特にネタ合わせを見られたくないんですよ。だから、ネタ合わせにカメラが入ろうとすると、なんとか逃げようとして、逃走中みたいになってたなあ(笑)。優勝した後も、マネージャーの電話が鳴りやまないみたいなこと言われてますけど、当時はなかったですよ。普通に翌日ロケして、全然休みもあったから」
そんな岡田が、年末の“ガキ使”で披露したハッピーボーイのキャラクターは強烈だった。
「その年は一年、ずっと『ハッピーボーイ、見ました』と言われてました。いろんな番組出てるはずなんだけど、ハッピーボーイ。それくらいインパクトある番組で。あれ以来、ほかの番組ではやらんでおったけど、そろそろ忘れられそうなんで世に放とうかな、と」
ついにハッピーボーイ復活か、そんな円熟味を増す芸人・岡田を表す方程式「岡田圭右=(勇気+心)×編集」の意味も、25日放送の『ライターズ!』で明かされる。いかに土壇場を乗り切るか、その心得が詰まった金言だ。
「ひとつ言っておきたいのが、芸人・岡田、一度たりともスベりにいったことはありません!常に全力でウケにいってます。今回の“まる見え”でも、奇跡的に爆笑を取ったシーンがありました。そしたら共演したインディアンスがなぜかテンパり始めて、まさか岡田がウケるとは…って、失礼な話ですよ(笑)。もう55歳やで。生まれ変わったら、もうちょっと小藪(千豊)君みたいにトークだけで勝負できる芸人になりたいわ。なんで芸歴重ねるごとに声でかなってんねん。普通は落ち着いていくはずやのに。この年で音声さん泣かせって、恥ずかしいわ!」
番組最後で披露してくれた生「ワオ!」の空気の振動、伝わる迫力は、テレビ越しのイメージをはるかに超えていた。最高峰のしゃべくり漫才師として、これからも音声さんを泣かせ続けてほしい。
(取材・文/マイティ・M)
※取材の模様は、25日放送の『ライターズ!』(日本テレビ系 深1:55)でもご覧いただけます。
8月26日放送(後7:00〜)
https://www.ntv.co.jp/marumie/articles/32645kn4rwmm5egh8zk7.html(外部サイト)