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「相手との関係性や距離感をうまく詰められない」演じる役に共感
「もともと人と関わるのが好きなんですよね。僕は大学在学中に芸能界に入ったのですが、芸能界以外の業界で働いている友人たちの話を聞くのはとても新鮮で、刺激を受けています」
今回、一ノ瀬が出演するのは『若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―』。ルイザ・メイ・オルコットによる『若草物語』を原案とする本ドラマでは、「令和のニッポン」を舞台に四姉妹の成長と絆のストーリーが紡ぎ出される。
四姉妹について一ノ瀬に聞くと、「きまじめ長女、がむしゃら次女、おっとり三女、したたか四女…個性豊かな四姉妹には、それぞれ共感するポイントがありますね」とコメント。
「なかでも堀田真由さん演じる次女の涼は、個人的に通じるものが多いなと思います。涼は常に『こうあるべき』といった社会規範や固定観念に対して『なんで?』と問いかけるのですが、その姿勢がとても魅力的。僕たちも普段の生活で『なんで?』と思うことはあっても、なかなかそれを口に出せないことも多いですよね。けれどドラマでは、そういったモヤモヤを代弁してくれる涼の姿に、“スカッと”する人も多いと思います」
一ノ瀬が演じる行城律は、主人公の涼と20年来の幼なじみ。幼い頃から涼に恋心を抱いているが、当の涼は律の気持ちに気づくことなく、ふたりは「親友」としての関係を続けている。
「このふたりの関係って、律が思いを伝えた時点でともすると壊れてしまうかもしれない、そんなあやういバランスの上に成り立っていると思うんです。なので、律を演じる上では、そんな“秘めた思い”をどう表現するのか。思わず気持ちがあふれ出てしまうのか、あえて思いを伝えようと律自身が葛藤しているのか。そんな表現の『塩梅』について、監督さんやプロデューサーさんと話し合いながらつくりあげています」
なかなか思いを打ち明けられない律というキャラクターについて、「なにかと周囲に気を遣ってしまう面は、僕自身と似ているかも…」と一ノ瀬は笑う。
「僕自身、普段から人と話していると『こんなことを言われたらイヤかな?』など色々気を遣ってしまって、相手との関係性や距離感をうまく詰められなかったりするんですよ。ただ自分が気を遣ってしまう分、逆に相手からグイッと来てもらえると逆にうれしかったりするんですよね(笑)」
男女の友情は“成立する”「ただそれには条件があって」持論
「恋愛は幸せの“十分条件”ではあるかもしれないですけど、“必要条件”ではないなって思っています。世の中には『恋愛することで幸せになれる』という人もたくさんいると思います。でもだからといって『幸せになるためには、恋愛をしないとならない』ということは成り立たない。『恋愛をしなくても幸せ』という人も大勢いますよね」
キレのある答えに知性があふれる。しかし「今、十分条件と必要条件なんて言葉を使っちゃったけど、実は数学は苦手(笑)。単語だけ、覚えていたみたいな感じです」と一ノ瀬は、はにかみながら謙遜する。
続いて、涼と律のような「男女の友情は成立すると思うか?」と訊ねると「成立すると思います」と一ノ瀬は回答。
「ただそれには条件があって。お互いが同じぐらいの温度感なら男女の友情は成立しますが、律のようにどちらか片方が恋心を抱いてしまった場合はかなり“あやうい”ですよね。もちろん思いを伝えない限りはギリギリ成立するし、でも律にとっては、ずっとその心に抱えたまま相手に接することになると思うので…」
インタビューでは、回答の端々に一ノ瀬の思慮深さが垣間見られた。
家ではカレーづくり「撮影後に余った食材をいただいて…」
「市販のルーを使った、いわゆる家庭系のカレーです。実はこれまで、料理をするとなると、『せっかく料理するんだから!』と思って、家庭の食卓に並ばないようなメニューをつくりたがっていたんです。大きいお皿にポツンと料理が載ってるフレンチ…みたいな(笑)。でも最近は野菜もちゃんと摂りたいし、野菜スープとかスタンダードなメニューをつくるようになって。その流れでカレーもつくるようになったんです」
そんなタイミングで迎えたのが、第2話の「スープカレー」のシーンだった。
「撮影後には、余ったじゃがいもや玉ねぎをいただいて、家でカレーをつくりました」とエコなエピソードも明かしてくれた。
あらためて共演者の「四姉妹」の印象について、一ノ瀬に聞いた。まずは主演の堀田。初共演ながら息の合った掛け合いを繰り広げているが、堀田の印象について「気配りの方」と一ノ瀬は語る。
「現場のいろんなことにすぐに気づくし、配慮がすごいんです。涼と律、ふたりの関係性を含めて、毎回ディスカッションを重ねて進めてるんですけど、堀田さんはこちらの提案にもまず『いいね!』と乗ってくれる。そんなところにも優しさを感じます」
続いて長女役の仁村紗和については、「過去に一度、共演させていただいたことがあるんです。ただ、そのときは敵対する役だったので、今回の古くから気心が知れた仲という設定は新鮮ですね。この“旧知の仲”という空気感を自然と出してくれる仁村さんのお芝居、あらためてすごいなと感じています」とコメント。
長濱ねる演じるおっとりキャラの三女・衿はミステリアスな存在だ。「長濱さんと衿はすごく近い性格かも?と感じることも(笑)。長濱さんと話していると時間がゆっくり過ぎていく感じがして、こちらも話すスピードが自然とゆっくりになって気持ちも穏やかになっていくんですよね」と明かした。
そして、そんな長濱と対照的なのが、四女役の畑芽育だとか。
「畑さんは、カメラが止まっているときも元気で四姉妹のムードメーカー的存在。4人みんながそろうと、芽育ちゃんがいじってくれるんです」
撮影現場では、一ノ瀬はまさかの「いじられキャラ」なのか?
「彼女たちが言うには、僕の話が『突拍子もない』んだとか(笑)。たしかに、ひとつの話題が終わっても、自分の頭の中ではまだその話が続いていて、後から『あ、まだ補足したいことがある!』と思い出して、突然その話に戻ってしまうことはあるかも。そんなとき、みんなから『いや、その話、もう終わってたじゃん!(笑)』とツッコまれるんですよね(苦笑)」
「いじられ」エピソードを明かしつつも一ノ瀬のコメントからは、和気あいあいとした撮影現場の空気感が伝わってきた。
最後に今後の見どころを聞くと「涼と律の関係性」と一ノ瀬はコメント。
「『恋をしない!』と明言している涼に、律ははたして思いを伝えるのか、ふたりの関係性が最終的にどこにたどり着くのか…ぜひたくさんの方に見守っていただければと思います!」
姉妹たちの恋の行方、そして涼と律、ふたりの「物語」に注目だ。
(取材・文/アケミン・ウィッチ)
※取材の模様は、13 日深夜放送の『ライターズ!』(日本テレビ系/毎週日曜 深 1:30)でもご覧いただけます。
(日本テレビ系/6日スタート 後10:30)
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