元老院 (オーストラリア)
元老院 Australian Senate | |
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第45期議会 | |
種類 | |
種類 | |
任期制限 | 6年(3年ごとに半数改選) |
沿革 | |
設立 | 1901年5月9日 |
役職 | |
議長 | |
与党院内総務 | |
与党上院幹事長 | ケイティ・ギャラガー(労働党)、 2022年6月1日より現職 |
野党院内総務 | |
野党上院幹事長 | アン・ラストン(自由党)、 2022年6月5日より現職 |
構成 | |
定数 | 76 |
選挙 | |
単記移譲式比例代表制 | |
前回選挙 | 2022年5月21日 |
次回選挙 | 2025年 |
議事堂 | |
オーストラリア首都特別地域キャンベラ、連邦議事堂 | |
ウェブサイト | |
Senate |
元老院(げんろういん、英語: Senate)は、オーストラリアの連邦議会を構成する議院(上院)である。
概要
[編集]Senateという名称はアメリカの上院を意識して付けられたが、イギリス式のウェストミンスター・システムで成り立っている。しかしイギリスの貴族院とは異なり、オーストラリア元老院は立法行為に積極的に関与する。代議院の優越は存在せず、その代わり、元老院と代議院とで見解の相違が生じた場合、首相は総督に代議院と同様に元老院の解散を要求する事が出来る。解散総選挙後も法案が通過しない場合、総督自らも立法行為に参加出来、実際に1974年に行われた前例が在る。
定数
[編集]各基本州における定数は同数で、かつ6人以上[1]。現在の定数は76人。
州 (72) |
ニューサウスウェールズ州 | 12 |
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ビクトリア州 | 12 | |
クイーンズランド州 | 12 | |
西オーストラリア州 | 12 | |
南オーストラリア州 | 12 | |
タスマニア州 | 12 | |
特別地域 (4) |
首都特別地域 | 2 |
ノーザンテリトリー | 2 | |
定数 | 76 |
選挙
[編集]比例代表制の一種である単記移譲式投票によって行われる。有権者は政党("Above the Line")か候補者個人("Below the Line")のいずれかについて、順位を付けた投票を行う。
政党に投票する場合は少なくとも6位まで、候補者に投票する場合は少なくとも12位まで記さないとならない[2]が、救済条項により、政党の場合は1位のみ、個人の場合は6位まで記せば有効票として扱われる[3]。
選挙資格と被選挙資格
[編集]- 選挙資格:次の2つの条件を満たす者[4]。
- オーストラリア国民または1984年1月26日までに選挙人登録をしたイギリス国民。
- 18歳以上。
- 被選挙資格:18歳以上のオーストラリア国民[5]。
義務投票制を採用している。選挙人資格を有する者は、選挙人登録と投票を義務付けられ、違反した場合は罰金を課せられる[6]。
任期
[編集]6年。3年ごとに半数改選。ただし首都特別地域とノーザンテリトリー選出の議員は3年。そのため解散による全数改選でない場合の改選数は、州の定員の半数の36と首都特別地域とノーザンテリトリーの定数4との合計の40となる。
院内勢力
[編集]2022年5月21日の選挙結果(改選数40)よる議席数は以下の通り。
政党 | 改選 | 非改選 | 計 | |
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保守連合 | 自由党・国民党 | 5 | 6 | 11 |
オーストラリア自由党 | 7 | 8 | 15 | |
クイーンズランド自由国民党 | 2 | 3 | 5 | |
地方自由党 | 1 | 0 | 1 | |
オーストラリア労働党 | 15 | 11 | 26 | |
オーストラリア緑の党 | 6 | 6 | 12 | |
ワン・ネイション | 1 | 1 | 2 | |
ジャッキー・ランビー・ネットワーク | 1 | 1 | 2 | |
統一オーストラリア党 | 1 | 0 | 1 | |
無所属 | 1 | 0 | 1 | |
定数 | 40 | 36 | 76 |
過去の選挙結果
[編集]2019年5月18日の選挙結果(改選数40)よる議席数は以下の通り。
政党 | 改選 | 非改選 | 計 | |
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保守連合 | 自由党・国民党 | 6 | 6 | 12 |
オーストラリア自由党 | 9 | 7 | 16 | |
クイーンズランド自由国民党 | 3 | 3 | 6 | |
地方自由党 | 1 | 0 | 1 | |
オーストラリア労働党 | 13 | 13 | 26 | |
オーストラリア緑の党 | 6 | 3 | 9 | |
ワン・ネイション | 1 | 1 | 2 | |
ジャッキー・ランビー・ネットワーク | 1 | 0 | 1 | |
中道同盟 (オーストラリア) | 0 | 2 | 2 | |
オーストラリア保守党 | 0 | 1 | 1 | |
定数 | 40 | 36 | 76 |
2016年7月18日の選挙結果(改選数76)による議席数は以下の通り。なおこの選挙は解散による全数改選。
政党 | 議席数 | |
---|---|---|
保守連合 | 自由党・国民党 | 10 |
オーストラリア自由党 | 14 | |
クイーンズランド自由国民党 | 5 | |
地方自由党 | 1 | |
オーストラリア労働党 | 26 | |
オーストラリア緑の党 | 9 | |
ワン・ネイション | 4 | |
クセノポングループ | 3 | |
自由民主党 | 1 | |
家族優先党 | 1 | |
ジャッキー・ランビー・ネットワーク | 1 | |
定数 | 76 |
2013年9月7日の選挙結果(改選数40)及び2014年4月5日の西オーストラリア州での再選挙結果による議席数は以下の通り。
政党 | 改選 | 非改選 | 計 | |
---|---|---|---|---|
保守連合 | オーストラリア自由党 | 12 | 11 | 23 |
クイーンズランド自由国民党 | 3 | 3 | 6 | |
オーストラリア国民党 | 1 | 2 | 3 | |
地方自由党 | 1 | 0 | 1 | |
オーストラリア労働党 | 12 | 13 | 25 | |
オーストラリア緑の党 | 4 | 6 | 10 | |
パーマー統一党 | 3 | 0 | 3 | |
自由民主党 | 1 | 0 | 1 | |
クセノポングループ | 1 | 0 | 1 | |
家族優先党 | 1 | 0 | 1 | |
民主労働党 | 0 | 1 | 1 | |
オーストラリア自動車愛好者党 | 1 | 0 | 1 | |
定数 | 40 | 36 | 76 |
2010年8月21日の選挙結果(改選数40)による議席数は以下の通り。
政党 | 改選 | 非改選 | 計 | |
---|---|---|---|---|
保守連合 | オーストラリア自由党 | 12 | 14 | 26 |
オーストラリア国民党 | 2 | 2 | 4 | |
クイーンズランド自由国民党 | 3 | 0 | 3 | |
地方自由党 | 1 | 0 | 1 | |
オーストラリア労働党 | 15 | 16 | 31 | |
オーストラリア緑の党 | 6 | 3 | 9 | |
民主労働党 | 1 | 0 | 1 | |
無所属 | 0 | 1 | 1 | |
定数 | 40 | 36 | 76 |
2007年11月24日の選挙結果(改選数40)による議席数は以下の通り。
政党 | 改選 | 非改選 | 計 | |
---|---|---|---|---|
保守連合 | オーストラリア自由党 | 15 | 17 | 32 |
オーストラリア国民党 | 2 | 2 | 4 | |
地方自由党 | 1 | 0 | 1 | |
オーストラリア労働党 | 18 | 14 | 32 | |
オーストラリア緑の党 | 3 | 2 | 5 | |
家族優先党 | 0 | 1 | 1 | |
無所属 | 1 | 0 | 1 | |
定数 | 40 | 36 | 76 |
脚注
[編集]- ^ オーストラリア連邦憲法第7条第3項。
- ^ 小暮哲夫. “「世界で最も完璧に近い投票制度」オーストラリアの難解すぎる選挙”. withnews.jp. 2023年6月30日閲覧。
- ^ オーストラリア連邦選挙法第268A・269条。
- ^ オーストラリア連邦選挙法第93条。
- ^ オーストラリア連邦選挙法第163条。
- ^ オーストラリア連邦選挙法第101・245条。
参考資料
[編集]- 諸外国の憲法事情オーストラリア - 国立国会図書館調査及び立法考査局