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京都大賞典

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
京都大賞典
第52回京都大賞典(2017年10月9日)
優勝馬:スマートレイアー
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 京都競馬場
創設 1966年10月9日
2024年の情報
距離 芝2400m
格付け GII
賞金 1着賞金6700万円
出走条件 サラ系3歳以上(国際)(指定)
負担重量 別定
出典 [1][2]
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京都大賞典(きょうとだいしょうてん)は、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場で施行する中央競馬重賞競走GII)である。競馬番組表での名称は「農林水産省賞典 京都大賞典(のうりんすいさんしょうしょうてん きょうとだいしょうてん)」と表記される[2]

正賞は農林水産大臣[2]

概要

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1966年に「ハリウッドターフクラブ賞」の名称で創設された、4歳(現3歳)以上の馬による重賞競走[3][4][5]。創設時は京都競馬場の芝3200mで行われたが、1967年より芝2400mに短縮され現在に至る[3][4][5]。1974年より現名称となった[3][4][5]。なお、「ハリウッドターフクラブ賞」の名称は第1回開催が行われた前年の1965年にアメリカハリウッドパーク競馬場で「日本中央競馬会賞競走」が創設された返礼として行われたもので、日本中央競馬会と外国の競馬施行団体がレース交換を行う初の事例となった[6]

中長距離路線における古馬や3歳の実績馬が秋の初戦として出走することが多く、菊花賞天皇賞(秋)エリザベス女王杯ジャパンカップ有馬記念といった秋のGI戦線を占ううえで重要な競走とされている[4][5]。2014年からは1着馬に天皇賞(秋)の優先出走権が与えられている[3][4][5]

外国産馬は1971年から、地方競馬所属馬は1995年からそれぞれ出走可能になり、2003年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[7][5]

競走条件

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以下の内容は、2024年現在[1][2]のもの。

出走資格:サラ系3歳以上

  • JRA所属馬(外国産馬含む、未出走馬及び未勝利馬は除く)
  • 地方競馬所属馬(後述)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:別定

  • 3歳54kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減
    • 2020年10月10日以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬2kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増
    • 2020年10月9日以前のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増(2歳時の成績を除く)
  • フルゲート:18頭[8]

天皇賞(秋)とエリザベス女王杯のステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬は天皇賞(秋)の出走候補馬(2頭まで)とエリザベス女王杯の出走候補馬(3頭まで)に優先出走が認められている[9][10]。また、それぞれの出走候補馬は本競走で2着以内の成績を収めた馬に天皇賞(秋)またはエリザベス女王杯の優先出走権が与えられる[9][10]。このため、地方競馬所属馬が最大5頭出走する場合がある[9]

賞金

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2024年の1着賞金は6700万円で、以下2着2700万円、3着1700万円、4着1000万円、5着670万円[1][2]

歴史

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  • 1966年 - 4歳以上の馬による重賞競走として「ハリウッドターフクラブ賞」の名称で創設、京都競馬場の芝3200mで施行[4]
  • 1971年 - 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[4]
  • 1974年 - 名称を「京都大賞典」に変更[4]
  • 1976年 - 厩務員労働組合の争議のため日程変更が行われ、阪神競馬場での施行となる。
  • 1984年
  • 1995年 - 指定交流競走となり、天皇賞(秋)の出走候補馬(地方競馬所属馬)が2頭まで出走可能になる[7]
  • 1999年 - 地方競馬所属馬の出走枠を拡大し、エリザベス女王杯の出走候補馬も3頭まで出走可能になる[7]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格を「3歳以上」に変更。
  • 2003年 - 国際競走に指定され、外国調教馬が9頭まで出走可能になる[7]
  • 2014年 - この年から1着馬に天皇賞(秋)の優先出走権を付与[4]
  • 2021年 - 京都競馬場の整備工事に伴い、阪神競馬場で施行(2022年も同様)[11]
  • 2024年 - 「JRA70周年記念競走」の副称をつけて施行[12]

歴代優勝馬

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コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1966年10月9日 京都 3200m キヨウエイヒカリ 牡3 3:21.4 清水出美 星川泉士 松岡正雄
第2回 1967年10月22日 京都 2400m シバフジ 牡3 2:26.9 松本善登 浅見国一 内芝伝一
第3回 1968年10月20日 京都 2400m マーチス 牡3 2:27.8 久保敏文 伊藤修司 大久保常吉
第4回 1969年10月19日 京都 2400m フイニイ 牡5 2:30.4 保田隆芳 尾形藤吉 永田賢介
第5回 1970年10月18日 京都 2400m ニューキミノナハ 牡4 2:38.7 簗田善則 庄野穂積 岡山信一
第6回 1971年10月17日 京都 2400m メジロアサマ 牡5 2:28.3 池上昌弘 保田隆芳 北野豊吉
第7回 1972年10月15日 京都 2400m キームスビィミー 牡6 2:26.6 小野幸治 小林稔 木村昭子
第8回 1973年10月14日 京都 2400m タニノチカラ 牡4 2:31.8 田島日出雄 島崎宏 谷水雄三
第9回 1974年10月13日 京都 2400m タニノチカラ 牡5 2:29.6 田島日出雄 島崎宏 谷水雄三
第10回 1975年10月12日 京都 2400m イシノマサル 牡3 2:32.5 加賀武見 浅野武志 石嶋清仁
第11回 1976年10月17日 阪神 2400m パッシングベンチャ 牡3 2:27.3 飯田明弘 小林稔 山本慎一
第12回 1977年10月16日 京都 2400m テンポイント 牡4 2:27.9 鹿戸明 小川佐助 高田久成
第13回 1978年10月15日 京都 2400m リュウキコウ 牡4 2:27.3 久保敏文 久保道雄 三好笑子
第14回 1979年10月14日 中京 2400m テンメイ 牡5 2:27.3 清水英次 坂田正行 近藤克夫
第15回 1980年10月12日 阪神 2400m シルクスキー 牝4 2:32.5 伊藤清章 伊藤修司 中山信一
第16回 1981年10月4日 京都 2400m イナドコトブキ 牡5 2:30.4 村本善之 新川恵 芳村壽郎
第17回 1982年10月10日 京都 2400m メジロカーラ 牝3 2:26.2 田原成貴 浅見国一 (有)メジロ牧場
第18回 1983年10月9日 京都 2400m ヤマノシラギク 牝4 2:28.9 松田幸春 大久保正陽 奥村啓二
第19回 1984年10月7日 京都 2400m スズカコバン 牡4 2:25.8 村本善之 小林稔 永井永一
第20回 1985年10月6日 京都 2400m ヤマノシラギク 牝6 2:28.9 清水英次 大久保正陽 奥村啓二
第21回 1986年10月5日 京都 2400m スズカコバン 牡6 2:26.9 河内洋 小林稔 永井永一
第22回 1987年10月11日 京都 2400m トウカイローマン 牝6 2:29.6 武豊 中村均 内村正則
第23回 1988年10月9日 京都 2400m メイショウエイカン 牡5 2:27.1 松永幹夫 高橋成忠 松本好雄
第24回 1989年10月8日 京都 2400m スーパークリーク 牡4 2:25.0 武豊 伊藤修司 木倉誠
第25回 1990年10月7日 京都 2400m スーパークリーク 牡5 2:26.9 武豊 伊藤修司 木倉誠
第26回 1991年10月6日 京都 2400m メジロマックイーン 牡4 2:26.5 武豊 池江泰郎 メジロ商事(株)
第27回 1992年10月11日 京都 2400m オースミロッチ 牡5 2:24.6 松本達也 中尾正 山路秀則
第28回 1993年10月10日 京都 2400m メジロマックイーン 牡6 2:22.7 武豊 池江泰郎 メジロ商事(株)
第29回 1994年10月9日 阪神 2500m マーベラスクラウン 4 2:31.0 南井克巳 大沢真 笹原貞生
第30回 1995年10月8日 京都 2400m ヒシアマゾン 牝4 2:25.3 中舘英二 中野隆良 阿部雅一郎
第31回 1996年10月6日 京都 2400m マーベラスサンデー 牡4 2:25.1 武豊 大沢真 笹原貞生
第32回 1997年10月5日 京都 2400m シルクジャスティス 牡3 2:26.2 藤田伸二 大久保正陽 (有)シルク
第33回 1998年10月11日 京都 2400m セイウンスカイ 牡3 2:25.6 横山典弘 保田一隆 西山正行
第34回 1999年10月10日 京都 2400m ツルマルツヨシ 牡4 2:24.3 藤田伸二 二分久男 鶴田任男
第35回 2000年10月8日 京都 2400m テイエムオペラオー 牡4 2:26.0 和田竜二 岩元市三 竹園正繼
第36回 2001年10月7日 京都 2400m テイエムオペラオー[注 2] 牡5 2:25.0 和田竜二 岩元市三 竹園正繼
第37回 2002年10月6日 京都 2400m ナリタトップロード 牡6 2:23.6 四位洋文 沖芳夫 山路秀則
第38回 2003年10月12日 京都 2400m タップダンスシチー 牡6 2:26.6 佐藤哲三 佐々木晶三 (株)友駿ホースクラブ
第39回 2004年10月10日 京都 2400m ナリタセンチュリー 牡5 2:25.2 田島裕和 藤沢則雄 山路秀則
第40回 2005年10月9日 京都 2400m リンカーン 牡5 2:25.4 武豊 音無秀孝 近藤英子
第41回 2006年10月8日 京都 2400m スイープトウショウ 牝5 2:31.5 池添謙一 鶴留明雄 トウショウ産業(株)
第42回 2007年10月7日 京都 2400m インティライミ 牡5 2:24.8 佐藤哲三 佐々木晶三 (有)サンデーレーシング
第43回 2008年10月12日 京都 2400m トーホウアラン 牡5 2:26.9 鮫島良太 藤原英昭 東豊物産(株)
第44回 2009年10月11日 京都 2400m オウケンブルースリ 牡4 2:24.3 内田博幸 音無秀孝 福井明
第45回 2010年10月10日 京都 2400m メイショウベルーガ 牝5 2:25.0 池添謙一 池添兼雄 松本好雄
第46回 2011年10月9日 京都 2400m ローズキングダム 牡4 2:24.1 後藤浩輝 橋口弘次郎 (有)サンデーレーシング
第47回 2012年10月8日 京都 2400m メイショウカンパク 牡5 2:23.4 池添謙一 荒川義之 松本好雄
第48回 2013年10月6日 京都 2400m ヒットザターゲット 牡5 2:22.9 北村友一 加藤敬二 前田晋二
第49回 2014年10月14日 京都 2400m ラストインパクト 牡4 2:24.2 川田将雅 松田博資 (有)シルクレーシング
第50回 2015年10月12日 京都 2400m ラブリーデイ 牡5 2:23.6 川田将雅 池江泰寿 金子真人ホールディングス(株)
第51回 2016年10月10日 京都 2400m キタサンブラック 牡4 2:25.5 武豊 清水久詞 (有)大野商事
第52回 2017年10月9日 京都 2400m スマートレイアー 牝7 2:23.0 武豊 大久保龍志 大川徹
第53回 2018年10月8日 京都 2400m サトノダイヤモンド 牡5 2:25.4 川田将雅 池江泰寿 (株)サトミホースカンパニー
第54回 2019年10月6日 京都 2400m ドレッドノータス 騸6 2:23.5 坂井瑠星 矢作芳人 (有)キャロットファーム
第55回 2020年10月11日 京都 2400m グローリーヴェイズ 牡5 2:25.6 川田将雅 尾関知人 (有)シルクレーシング
第56回 2021年10月10日 阪神 2400m マカヒキ 牡8 2:24.5 藤岡康太 友道康夫 金子真人ホールディングス(株)
第57回 2022年10月10日 阪神 2400m ヴェラアズール 牡5 2:24.3 松山弘平 渡辺薫彦 (有)キャロットファーム
第58回 2023年10月9日 京都 2400m プラダリア 牡4 2:25.3 池添謙一 池添学 名古屋友豊(株)
第59回 2024年10月6日 京都 2400m シュヴァリエローズ 牡6 2:22.9 北村友一 清水久詞 (有)キャロットファーム

脚注・出典

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参考文献

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  • 「農林水産省賞典京都大賞典(GII)」『中央競馬全重賞競走成績集【古馬関西編】』日本中央競馬会、2006年、1223-1284頁。 

注釈

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  1. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。
  2. ^ ステイゴールドが1位で入線したが最後の直線で斜行しナリタトップロードに接触し渡辺薫彦を落馬し失格となり、テイエムオペラオーが繰り上がりで優勝となった。

出典

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  1. ^ a b c 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 27. 2021年10月10日閲覧。
  2. ^ a b c d e 令和3年第4回阪神競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2021年10月10日閲覧。
  3. ^ a b c d 2021年度第4回阪神競馬特別レース名解説” (PDF). 日本中央競馬会. p. 1. 2021年10月10日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i レースについて:京都大賞典 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2021年10月10日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 京都大賞典特集(レースガイド)”. netkeiba.com. 2015年10月5日閲覧。
  6. ^ 『日本中央競馬会50年史』日本中央競馬会、2005年、70頁。 
  7. ^ a b c d e 中央競馬全重賞競走成績集【古馬関西編】
  8. ^ ただしフルゲートになることはほぼなく、21世紀に入ってからは2019、2020年の17頭が最多出走である。
  9. ^ a b c 「地」が出走できるGI競走とそのステップ競走について【令和3年度】” (PDF). 日本中央競馬会. 2021年10月10日閲覧。
  10. ^ a b 令和3年度競馬番組一般事項” (PDF). 日本中央競馬会. 2021年10月10日閲覧。
  11. ^ 令和3年度の重賞競走の主な変更点について”. 日本中央競馬会 (2020年10月19日). 2020年10月20日閲覧。
  12. ^ JRA70周年記念事業の詳細日本中央競馬会、2023年12月11日配信・閲覧

各回競走結果の出典

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外部リンク

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