貿易史(ぼうえきし)は、歴史上に存在した貿易や貿易制度の歴史である。日本語の貿易は国家間の取引を指し、国際貿易という表現が用いられる場合もある。交易という語は、国内と国外の双方に用いられる。本記事では、これらの歴史について記述する。 歴史的に有名なものとしては、シルクロードの由来にもなった中国の絹貿易、古代ギリシアの頃から地中海で行われていた穀物貿易、15世紀の陶磁器貿易、16世紀の香辛料貿易、奴隷貿易、砂糖貿易、17世紀の毛皮貿易、18世紀の茶貿易、20世紀の石油貿易などがある。貴金属では、アフリカのサハラ交易で金が地中海にもたらされ、16世紀以降のアメリカ大陸と日本からは銀と金が産出された。ヨーロッパでは、アメリカからの銀によって価格革命とも呼ばれる現象が起きて商工業が促進され、19世紀にはブラジルのゴールドラッシュがイギリスの金本位制の成立にもつながる。1492年にはじまる東半球と西半球のあいだでの広範な交流は、貿易にも多大な影響を与えており、これをコロンブス交換とも呼ぶ。