一流

一 流（いちりゅう）

1. （第一流の略）優秀。優良。またそのようなものや人。
   • 第一芸術、第二芸術、あたりまへの考へ方から、見当のつきかねる分類で、一流の作品とか二流の芸術品とかいふ出来栄えの上のことなら分るが、芸術に第一とか第二とかいふ、便利な、いかにも有りさうな言葉のやうだが、実際そんな分類のなりたつわけが分らない言葉のやうに思はれる。（坂口安吾 『第二芸術論について』）
2. ある流派や親族・一族。
   • 坂田は無学文盲、棋譜も読めず、封じ手の字も書けず、師匠もなく、我流の一流をあみ出して、型に捉えられぬ関西将棋の中でも最も型破りの「坂田将棋」は天衣無縫の棋風として一世を風靡し、一時は大阪名人と自称したが、晩年は不遇であった。（織田作之助 『可能性の文学』）
3. （一旒に替え）一本の旗。

1. 独特。個性的なやりかた。（しばしば、皮肉を込める。）
   • 『永代蔵』中に紹介された致富の妙薬「長者丸」の処方、『織留』の中に披露された「長寿法」の講習にも、その他到る処に彼一流の唯物論的処世観といったようなものが織り込まれている。（寺田寅彦 『西鶴と科学』）
   • 微酔を帯びた俊吉は、夜長の電燈の下にあぐらをかいて、盛に彼一流の詭弁を弄した。（芥川龍之介 『秋』）
   • 香具師、博徒、遊芸の輩、そういう下級の人達とも、厭うところなく交際ったが、去る者は追わず来る者は拒まずの、この人一流の処世法が、そういう者どもにも懐かしがられ、それで集まって来たのであろう。（国枝史郎 『血煙天明陣』）

• 一等

• （優秀な物）
  • 超一流（偉大な物）
  • 一流（優秀な物）
  • 二流（平凡な物）
  • 三流（劣悪な物）

一 流（yīliú）

1. 一種の。
2. 第一等の、優秀な。
3. ある流派の。
4. 王莽新王朝における貨幣単位の一つ。