[go: up one dir, main page]

金鯱賞

日本の中央競馬の重賞競走

金鯱賞(きんこしょう)は、日本中央競馬会(JRA)が中京競馬場で施行する中央競馬重賞競走GII)である。

金鯱賞
Kinko Sho[1]
第59回金鯱賞(2023年3月12日)
優勝馬:プログノーシス 鞍上:川田将雅
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 中京競馬場
創設 1965年11月7日
2024年の情報
距離 芝2000m
格付け GII
賞金 1着賞金6700万円
出走条件 サラ系4歳以上(国際)(指定)
負担重量 別定
出典 [2][3]
テンプレートを表示

競走名は名古屋城のシンボル「金の鯱」に由来する。鯱は水を呼び、火を防ぐといわれている[4][3]

概要

編集

1965年に別定重量の重賞競走として中京競馬場の砂1800mで創設された[5]。その後、施行コースは1970年から新設された芝コースでの施行に変更[5]。負担重量は1966年から1995年までハンデキャップとされたが、1996年から再び別定となり、かつ、宝塚記念へのステップレースにもなり、あわせて距離も2000mに変更された[5]2012年から2016年は11月末~12月開催となり、有馬記念へのステップレースにもなっていたが、2017年からは開催時期を3月に変更し、本競走の1着馬に同年からGIに昇格した大阪杯への優先出走権が付与される[6]

外国産馬は1996年より出走が可能になった[7]。2000年からは外国馬も出走可能な国際競走となり[7]、2012年からは地方競馬所属馬も出走可能になった[8]

競走条件

編集

以下の内容は、2024年現在[2][3]のもの。

出走資格:サラ系4歳以上

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(後述)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:別定

  • 57kg、牝馬2kg減
    • 2023年3月11日以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬2kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増
    • 2023年3月10日以前のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増(2歳時の成績を除く)

大阪杯のステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬は大阪杯の出走候補馬(3頭まで)に優先出走が認められている。また、地方競馬所属馬は本競走で2着以内の成績を収めた馬に大阪杯の優先出走権が与えられる[9]

賞金

編集

2024年の1着賞金は6700万円で、以下2着2700万円、3着1700万円、4着1000万円、5着670万円[2][3]

歴史

編集
  • 1965年 - 4歳以上の馬による重賞競走として創設、中京競馬場の砂1800mで施行[5]。正賞は愛知県知事賞(〜1969年、1971年)[10]
  • 1970年 - この年のみ、名称を「博多ステークス(はかたステークス・第6回金鯱賞)」に変更して施行[7]
  • 1972年 - 正賞を名古屋市長賞に変更(当年と翌年の2年のみ)[10]
  • 1974年 - 名称を「東海テレビ杯 金鯱賞」に変更[7]
  • 1984年 - グレード制導入によりGIII[注 1]に格付け[5]
  • 1996年
    • GII[注 1]に格上げ[7]
    • 施行距離を芝2000mに変更。同年GIに昇格した高松宮杯→高松宮記念の施行条件を事実上引き継ぐ。
    • 混合競走に指定され、外国産馬が出走可能になる[7]
  • 1997年 - 名称を「金鯱賞」に変更。
  • 2000年 - 国際競走に変更され、外国調教馬が5頭まで出走可能となる[7]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格を「3歳以上」に変更。
  • 2004年 - 「日本中央競馬会創立50周年記念」の副称をつけて施行[7]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠が9頭に拡大[11]
  • 2012年
    • 開催時期を11月末~12月に変更。
    • 特別指定交流競走に指定され、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能となる[8]
  • 2013年 - 「サイレンススズカメモリアル」の副称をつけて施行[12]
  • 2017年
    • 開催時期が3月に、それに伴い出走資格を「4歳以上」に変更。
    • この年から1着馬に大阪杯の優先出走権を付与。
    • 指定交流競走に変更、JRAに認定されていない地方所属馬も出走可能になる。
  • 2018年 - 施行日を中山牝馬ステークスと交換。
  • 2020年 - COVID-19の流行により、「無観客競馬」として実施[13]
  • 2024年 - 「JRA70周年記念競走」の副称をつけて施行[14]
  • 2025年 - 正賞の東海テレビ杯が東海ステークスから移動する形で、この年より競走名を再び「東海テレビ杯 金鯱賞」に再変更の予定。

歴代優勝馬

編集

コース種別を記載していない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

競走名は第6回が「博多ステークス」[7]

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1965年11月7日 中京 砂1800m アオバ 牡3 1:54.3 沢峰次 森末之助 清水友太郎
第2回 1966年8月28日 中京 砂1800m パシカリーム 牝4 1:54.7 高橋隆 大久保亀治 山本愼一
第3回 1967年7月30日 中京 砂1800m クリバツク 牡3 1:53.4 田島良保 谷八郎 有馬静雄
第4回 1968年8月4日 中京 砂1800m ローエングリン 牡3 1:53.6 栗田勝 武田文吾 加藤吉朗
第5回 1969年3月9日 中京 砂1800m ハクセンショウ 牡5 1:52.5 増沢末夫 尾形藤吉 柏誠四郎
第6回 1970年1月25日 小倉 1800m アリオーン 牡4 1:50.7 楠孝志 橋田俊三 加藤雅彦
第7回 1971年7月11日 中京 1800m スインホウシュウ 牡3 1:48.3 安藤正敏 上田三千夫 上田清次郎
第8回 1972年6月11日 中京 1800m シングン 牡4 1:49.3 飯田明弘 坂口正二 奈村信重
第9回 1973年7月8日 中京 1800m サカエカホー 牡4 1:47.9 湯浅三郎 加藤清一 陳葉枝
第10回 1974年7月7日 中京 1800m ホウシュウミサイル 牡3 1:52.9 武田悟 夏村辰男 上田清次郎
第11回 1975年7月13日 中京 1800m スズカハード 牡5 1:52.6 飯田明弘 小林稔 永井商事(株)
第12回 1976年7月11日 中京 1800m ヤマブキオー 牡6 1:49.9 徳吉一己 森末之助 清水一郎
第13回 1977年7月10日 中京 1800m マチカネライコー 牡4 1:49.0 柴田光陽 清田十一 東豊産業(株)
第14回 1978年7月9日 中京 1800m スリーファイヤー 牝4 1:48.1 岩元市三 布施正 永井商事(株)
第15回 1979年7月8日 阪神 2000m ニチドウアラシ 牡3 2:00.8 村本善之 坂田正行 山田敏夫
第16回 1980年7月6日 中京 1800m マリージョーイ 牝4 1:48.1 岩元市三 田中良平 小田切有一
第17回 1981年7月5日 中京 1800m オーバーレインボー 牡4 1:51.9 崎山博樹 土門一美 鳥居茂三
第18回 1982年7月11日 中京 1800m テルノホープ 牡5 1:47.6 南井克巳 安藤正敏 中村照彦
第19回 1983年7月10日 中京 1800m ラブリースター 牝4 1:50.0 田原成貴 領家政蔵 山本信行
第20回 1984年7月8日 中京 1800m トーワカチドキ 牡5 1:52.8 田島信行 佐山優 斉藤一郎
第21回 1985年7月7日 中京 1800m キャノンゼット 牡5 1:50.4 内山正博 小林稔 角田哲男
第22回 1986年7月6日 中京 1800m イズミスター 牡4 1:51.8 土肥幸広 白井寿昭 今泉淳
第23回 1987年6月28日 中京 1800m ノックアウト 牡4 1:47.7 南井克巳 田中良平 小田切有一
第24回 1988年6月26日 中京 1800m パッシングパワー 牡5 1:47.4 高橋隆 大久保石松 山本菊一
第25回 1989年6月25日 中京 1800m マルブツファースト 牡7 1:48.0 村本善之 大久保正陽 大沢毅
第26回 1990年6月17日 中京 1800m マロングラッセ 牝6 1:47.3 角田晃一 庄野穂積 栗林英雄
第27回 1991年6月16日 中京 1800m ムービースター 牡5 1:46.6 武豊 坪憲章 吉田照哉
第28回 1992年6月21日 中京 1800m イクノディクタス 牝5 1:47.5 村本善之 福島信晴 勝野憲明
第29回 1993年6月20日 京都 1800m ウィッシュドリーム 牡4 1:46.7 武豊 坪憲章 (株)日本ダイナースクラブ
第30回 1994年6月19日 中京 1800m マーベラスクラウン 騸4 1:48.1 南井克巳 大澤眞 笹原貞生
第31回 1995年6月18日 中京 1800m サマニベッピン 牝5 1:48.3 土肥幸広 加藤敬二 (有)関澤産業
第32回 1996年6月9日 中京 2000m フジヤマケンザン 牡8 2:01.4 村本善之 森秀行 藤本龍也
第33回 1997年5月24日 中京 2000m ゼネラリスト 牡4 2:02.3 松永幹夫 山本正司 マエコウファーム(有)
第34回 1998年5月30日 中京 2000m サイレンススズカ 牡4 1:57.8 武豊 橋田満 永井啓弍
第35回 1999年5月29日 中京 2000m ミッドナイトベット 牡5 1:59.7 河内洋 長浜博之 (有)社台レースホース
第36回 2000年5月27日 中京 2000m メイショウドトウ 牡4 1:58.5 安田康彦 安田伊佐夫 松本好雄
第37回 2001年5月26日 中京 2000m ミッキーダンス 牡5 1:59.9 佐藤哲三 服部利之 三木久史
第38回 2002年5月25日 中京 2000m ツルマルボーイ 牡4 1:58.3 横山典弘 橋口弘次郎 鶴田任男
第39回 2003年5月31日 中京 2000m タップダンスシチー 牡6 1:58.9 佐藤哲三 佐々木晶三 (株)友駿ホースクラブ
第40回 2004年5月29日 中京 2000m タップダンスシチー 牡7 1:57.5 佐藤哲三 佐々木晶三 (株)友駿ホースクラブ
第41回 2005年5月28日 中京 2000m タップダンスシチー 牡8 1:58.9 佐藤哲三 佐々木晶三 (株)友駿ホースクラブ
第42回 2006年5月27日 中京 2000m コンゴウリキシオー 牡4 1:58.8 岩田康誠 山内研二 金岡久夫
第43回 2007年5月26日 中京 2000m ローゼンクロイツ 牡5 1:57.2 藤岡佑介 橋口弘次郎 (有)サンデーレーシング
第44回 2008年5月31日 中京 2000m エイシンデピュティ 牡6 1:59.1 岩田康誠 野元昭 平井豊光
第45回 2009年5月30日 中京 2000m サクラメガワンダー 牡6 1:58.4 福永祐一 友道康夫 (株)さくらコマース
第46回 2010年5月29日 京都 2000m アーネストリー 牡5 1:59.5 佐藤哲三 佐々木晶三 前田幸治
第47回 2011年5月28日 京都 2000m ルーラーシップ 牡4 2:02.4 福永祐一 角居勝彦 (有)サンデーレーシング
第48回 2012年12月1日 中京 2000m オーシャンブルー 牡4 2:00.4 C.ルメール 池江泰寿 青芝商事(株)
第49回 2013年11月30日 中京 2000m カレンミロティック 騸5 1:59.6 池添謙一 平田修 鈴木隆司
第50回 2014年12月6日 中京 2000m ラストインパクト 牡4 1:58.8 川田将雅 松田博資 (有)シルクレーシング
第51回 2015年12月5日 中京 2000m ミトラ 騸7 1:58.8 柴山雄一 萩原清 吉田勝己
第52回 2016年12月3日 中京 2000m ヤマカツエース 牡4 1:59.7 池添謙一 池添兼雄 山田和夫
第53回 2017年3月11日 中京 2000m ヤマカツエース 牡5 1:59.2 池添謙一 池添兼雄 山田和夫
第54回 2018年3月11日 中京 2000m スワーヴリチャード 牡4 2:01.6 M.デムーロ 庄野靖志 (株)NICKS
第55回 2019年3月10日 中京 2000m ダノンプレミアム 牡4 2:00.1 川田将雅 中内田充正 (株)ダノックス
第56回 2020年3月15日 中京 2000m サートゥルナーリア 牡4 2:01.6 C.ルメール 角居勝彦 (有)キャロットファーム
第57回 2021年3月14日 中京 2000m ギベオン 牡6 2:01.8 西村淳也 藤原英昭 (有)社台レースホース
第58回 2022年3月13日 中京 2000m ジャックドール 牡4 1:57.2 藤岡佑介 藤岡健一 前原敏行
第59回 2023年3月12日 中京 2000m プログノーシス 牡5 1:59.8 川田将雅 中内田充正 (有)社台レースホース
第60回 2024年3月10日 中京 2000m プログノーシス 牡6 1:57.6 川田将雅 中内田充正 (有)社台レースホース

金鯱賞の記録

編集

レースレコード - 1:57.2(第43回優勝馬 ローゼンクロイツ、第58回優勝馬 ジャックドール)[注 2]

脚注・出典

編集

注釈

編集
  1. ^ a b 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。
  2. ^ ローゼンクロイツ号が記録したレースレコードは改修前の旧コースで記録したもの

出典

編集
  1. ^ IFHA Race Detail Kinko Sho”. 2016年11月28日閲覧。
  2. ^ a b c 重賞競走詳細(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 8 (2024年). 2024年3月4日閲覧。
  3. ^ a b c d 2024年第1回中京競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年3月4日閲覧。
  4. ^ 2024年度第1回中京競馬特別レース名解説(第2日)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 1. 2024年4月29日閲覧。
  5. ^ a b c d e 歴史・コース:金鯱賞 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  6. ^ 2017年度開催日割および重賞競走について”. 日本中央競馬会. 2016年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月11日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i 中央競馬全重賞競走成績集【古馬関西編】
  8. ^ a b 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 37 (2012年). 2016年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月12日閲覧。
  9. ^ [地]が出走できるGI競走等とそのステップ競走について【2024年度】” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  10. ^ a b 中央競馬ピーアール・センター/企画編集『中京競馬40年のあゆみ』日本中央競馬会中京競馬場、1993年、46頁。 
  11. ^ 第2回 中京競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 1663-1662. 2021年3月12日閲覧。(索引番号:15035)
  12. ^ 2013年の成績表参照。
  13. ^ 3月14日(土曜)、15日(日曜)の中央競馬の開催等について”. 日本中央競馬会 (2020年3月12日). 2020年3月12日閲覧。
  14. ^ JRA70周年記念事業の詳細日本中央競馬会、2023年12月11日配信・閲覧

各回競走結果の出典

編集

外部リンク

編集