[go: up one dir, main page]

コンテンツにスキップ

Yak-11 (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

Yak-11 / Як-11
C-11

駐機中のYak-11 64236号機 (ポーランド空軍所属、1953年撮影)

駐機中のYak-11 64236号機
(ポーランド空軍所属、1953年撮影)

Yak-11Yakovlev Yak-11 / Jak-11 ヤク11 / ロシア語:Як-11 ヤーク・アヂーンナッツァチ)は、ヤコヴレフ設計局が開発し、国土防空軍などで運用された練習機

Yak-3戦闘機の機体フレームを使用して開発された複座練習機で、チェコスロバキアではC-11として製造された。

NATOが用いたコードネームの「ムース (Moose)」は、ヘラジカの意。

概要

[編集]

Yak-3液冷式VK-105PF-2エンジンに換えて空冷式ASh-21星型エンジンを搭載した。生産は主にチェコスロバキアのレト(LETクノヴィツェ)社で行われ、同社製の機体はC-11チェコ語:ツェー・イデナーツト)と呼ばれる。輸出は各国になされた。近年では第二次世界大戦機風の塗装を施した機体やYak-9風の改修を施した機体が航空ショーなどで活躍している。

1951年には発展型のYak-11UYak-11Tが開発された。

スペック

[編集]
航空ショーでのYak-11(2005年9月)
ハンガリーのYak-11

Yak-11

[編集]
  • 翼幅:9.40m
  • 全長:8.20m
  • 全高:3.28m
  • 翼面積:15.40m2
  • 空虚重量:1,900kg
  • 最大離陸重量:2,440kg
  • 機内燃料:268L
  • 発動機:シュベツォフ ASh-21×1
  • 出力:570馬力×1
  • 最高速度:460km/h
  • 巡航速度:370km/h
  • 実用航続距離:1,250km
  • 上昇力:8.10m/min
  • 実用飛行上限高度:7,100m
  • 乗員:2名
  • 兵装:ShKAS 7.62mm機銃×1もしくはUBS 12.7mm機銃×1、25-100kg爆弾×2、PAU-22写真機

運用者

[編集]
Yak-11とC-11が運用された国
アフガニスタンの旗 アフガニスタン
アルジェリアの旗 アルジェリア
エジプトの旗 エジプト
 オーストリア
ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア
中華人民共和国の旗 中国
ハンガリーの旗 ハンガリー
ブルガリアの旗 ブルガリア
ポーランドの旗 ポーランド
ルーマニアの旗 ルーマニア

など

現存する機体

[編集]
  • 列挙したものは一部である。
  • C-11はサイト等によっては番号の整合性が合わないがYak-11と紹介されているものもある。
型名   番号    機体写真     所在地 所有者 公開状況 状態 備考
Yak-11 55 ウクライナ ヴィンニツァヤ・ウクライナ空軍博物館 公開 静態展示
Yak-11 06 写真 中国 北京 中国空軍航空博物館 公開 静態展示
Yak-11 4989 写真 中国 北京 中国空軍航空博物館 公開 静態展示 旧塗装
Yak-11 写真 中国 北京 中国空軍航空博物館 公開 静態展示
Yak-11 06 ロシア モスクワ州 ロシア連邦中央空軍博物館 公開 静態展示
yak-11 25 ロシア モスクワ州 ヴァディム・ザドロズヌイ技術博物館[1]
(Technical Museum of Vadim Zadorozhny)
公開 静態展示
Yak-11 64236 ポーランド マウォポルスカ県 クラクフ・ポーランド航空博物館 公開 静態展示 旧塗装
Yak-11 NVA 98
68210
ドイツ コトブス飛行場博物館[2] 公開 静態展示 [3]
Yak-11 NVA 225
72232
ドイツ ベルリン ベルリン・ガトウ空港軍事歴史博物館 公開 静態展示
Yak-11 9/04623 フランス ランド県 マーケイデル・ジョージズ氏
(Mercadal Georges)
非公開 飛行可能 ルーマニアで運用されていた機体。Yak-3UTIと登録されているが単座に改造されている。
Yak-11 Y-5434 写真 イタリア エミリア=ロマーニャ州 ステファノ・ランディ氏(Stefano Landi) 公開 飛行可能
Yak-11U 63 写真 ハンガリー バーチ・キシュクン県 ピンテール・ワークス軍事技術公園[4] 公開 静態展示 ピンテール・ワークス社が管理する公園。19の塗装となっている。
Yak-11SC 722 写真 ルーマニア ブカレスト 国立軍事博物館 公開 静態展示
C-11 EAF 533
170101
アメリカ カリフォルニア州 プレインズ・オヴ・フェイム航空博物館 公開 飛行可能 Yak-3Mとして改造されている。
C-11 170103 写真 ドイツ ニーダーザクセン州 マンフレート・ラッシェ氏
(Manfred Rusche)
非公開 飛行可能 旧塗装
C-11 171101 ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 メイア・モータース社[5]
(Meier Motors)
公開 飛行可能 旧塗装[6]
C-11 171103 写真 ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 メイア・モータース社 非公開 飛行可能 [7]
C-11 171119 写真 ハンガリー ヤース・ナジクン・ソルノク県 ソルノク飛行機博物館[8] 公開 静態展示 19の塗装がされている。[9]
C-11 EAF 705
171205
写真 イギリス ロンドン アンジェラ・ヘレン・ソーパー氏
(Angela Helen Soper)
非公開 飛行可能
C-11 171227 オーストリア シュタイアーマルク州 ツェルトヴェク飛行場第8格納庫博物館 公開 静態展示
C-11 171229 写真 オーストリア ニーダーエスターライヒ州 オーストリア航空博物館 (グラーツ)[10] 公開 静態展示 シュタイアーマルク州にあるオーストリア航空博物館 (バート=フースラウ)に注意。
C-11 CAF 1312
171312
ドイツ バイエルン州 ミュールドルフ飛行場 非公開 静態展示 [11]
C-11 171314 イギリス ロンドン アンドリュー・マカーサー・ホールマン=ウェスト氏
(Andrew McArthur Holman-West)
非公開 飛行可能
C-11 CAF 1317
171317
ベルギー ブリュッセル 王立軍隊軍事史博物館[12] 公開 静態展示 [13]
C-11 171529 写真 ポーランド マテウス・ストラマ氏
(Mateusz Strama)
ピョートル・コワルスキ氏
(Piotr Kowalski)
非公開 飛行可能 Yak-3UR-2000として説明されている。[14][15]
C-11 CAF 1706
171706
アメリカ アリゾナ州 カーマー・イストヴァン氏
(Kalmar Istvan)
非公開 保管中
C-11 PK-35
171721
写真 チェコ プラハ クベリー航空博物館 公開 静態展示
C-11 CAF 1727
171727
チェコ プラハ クベリー航空博物館 公開 静態展示
C-11 172109 写真 ポーランド ポトカルパチェ県 クロスノ神経外科・総合病院(Wojewodski Szpital Neuroschiatrii w Krosnich) 公開 静態展示
C-11 172428 ロシア モスクワ州 ロシア連邦中央空軍博物館 公開 静態展示
C-11 172623 イギリス シュロップシャー州 スリープ飛行場 公開 飛行可能
C-11 171511 写真 チェコ ドラーソフ プリブラム空港
(Příbram Airport)
非公開 飛行可能
C-11 25111/05 フランス エソンヌ県 ジョルジュ・ペレーズ氏
(George Perez)
公開 飛行可能
C-11 25111/08 フィンランド ウーシマー県 フィリップ・ジョン・ロートン氏
(Phillip John Lawton)
公開 飛行可能
C-11 25111/02 フランス エソンヌ県 カペル・アンリ氏
(Capel Henri)
非公開 飛行可能
C-11 EAF 407 アメリカ カリフォルニア州 ジョン・C・ムーア氏
(John C. Moore)
非公開 飛行可能 レース機に改造され、86の番号をつけてリノ・エアレースに出場している。
C-11 102146 アメリカ カリフォルニア州 ケント・G・カーロマーニョ氏
(Kent G. Carlomagno)
公開 飛行可能
C-11 171521 アメリカ テキサス州 テキサス航空宇宙博物館 公開 静態展示 [16]
C-11 EAF 60
25111/03
フランス ドローム県 サン=ハンベール=ダールボン飛行場 非公開 飛行可能
C-11 25111/20 写真 アメリカ アリゾナ州 エロイ市営空港 非公開 飛行可能
C-11 25111/25 写真 アメリカ カンザス州 ジョン・J・ダウド氏
(John J. Dowd Jr.)
公開 飛行可能 92の番号をつけてリノ・エアレースに出場している。旧塗装

脚注

[編集]

関連項目

[編集]
  • ウィキメディア・コモンズには、Yak-11 (航空機)に関するカテゴリがあります。