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ヒメビシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒメビシ
ヒメビシの初期浮葉
保全状況評価
絶滅危惧II類環境省レッドリスト
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: フトモモ目 Myrtales
: ヒシ科 Trapaceae
: ヒシ属 Trapa
: ヒメビシ T. incisa
学名
Trapa incisa
Sieb. et Zucc.
和名
ヒメビシ

ヒメビシ(姫菱 Trapa incisa)は、ヒシ科水草

分布

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日本朝鮮半島台湾中国などに生育している[1]。日本では各地で個体群が消滅し、絶滅危惧種に指定されている。

形態、生態

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ヒメビシの果実

一年草[2]菱形で、粗い鋸歯がある。葉の長さは1.5-3.5cm[2]。茎の先端から葉を放射状に叢生し[1]、水面を覆う。葉柄の中央には空気を含んだ浮き袋状の構造を形成する[1]

花期は7-10月、白または淡い紅色の花弁をもち、直径は6-8mm[1]果実は石果で長さ約20mm[2]、4本のとげをもつ。

染色体数は2n=48[3]

近縁種

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近縁種としてヒシオニビシなどがある。ヒシの果実のとげは4つの萼片のうち2つが発達したもの(通常残りの顎片は脱落して2本)だが、ヒメビシの果実には上向きのとげ2本と下向きのとげ2本(計4本)が発達し、オニビシの果実には下向きのとげが4本発達している[4]。特にオニビシは果実が大型でヒメビシのほうが小さい[4]

利用

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ヒメビシの果実にある胚乳にはでんぷんが貯蔵されており、食用になる。

かつては撒菱としても使用された。

関連項目

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脚注

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  1. ^ a b c d 「愛知県維管束植物レッドリスト」(2009年)p.208
  2. ^ a b c 角野康郎『日本水草図鑑』(1994年、文一総合出版)p.129
  3. ^ 荻沼一男、高野温子、角野康郎(1996)「日本産ヒシ科数種の核形態」植物分類・地理 47(1) pp.47-52
  4. ^ a b ヒシ”. 北海道開発局. 2022年8月1日閲覧。