デーモニーケー

デーモニーケー（古希: Δημονίκη, Dēmonīkē, 英: Demonice）は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してデモニケとも表記される。カリュドーンの娘エピカステーとプレウローンの子アゲーノールとの間に生まれた娘で、ポルターオーンと兄妹。ヘーシオドスの『名婦列伝』によると彼女の名前はデーモディケー（Δημοδίκη, Dēmodikē）となっており、その美しさから彼女の愛を求めて贈物を贈った王は数え切れないほどいたが、その心を口説くことができた者はいなかったと述べている^[1]。デーモニーケーは軍神アレースとの間にテスティオス、エウエーノス、モーロス、ピュロスを生んだ^[2]。子供のうちテスティオスはアルタイアー、レーダー、ヒュペルムネーストラーといった有名な女性たちの父となった^[3]。エウエーノスはアイトーリア地方のエウエーノス川にその名を残すこととなった^[4]。

• アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫（1953年）
• 『ヘシオドス 全作品』中務哲郎訳、京都大学学術出版会（2013年）
• 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店（1960年）