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カイ・ウィンディング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カイ・ウィンディング
Kai Winding
カイ・ウィンディング(1947年)
基本情報
出生名 Kai Chresten Winding
生誕 (1922-05-18) 1922年5月18日
出身地  デンマーク オーフス
死没

1983年5月6日(1983-05-06)(60歳没)

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク
ジャンル ジャズ
職業 トロンボーン奏者、作曲家
担当楽器 トロンボーン
活動期間 1940年 - 1983年
共同作業者 ポール・チェンバースJ・J・ジョンソンベニー・グッドマン
(左から)エディ・サフランスキー、カイ・ウィンディング、スタン・ケントン、ピート・ルゴロ、シェリー・マン(1946年)
写真:ウィリアム・ゴットリーブ
ウォルト・ディズニー・ワールドのヴィレッジ・ジャズ・ラウンジにてドン・ラモンドやブッバ・コルプと談笑中のウィンディング

カイ・ウィンディング[1]Kai Winding1922年5月18日 - 1983年5月6日)は、デンマーク系アメリカ人ジャズトロンボーン奏者で作曲家。同じトロンボーン奏者のJ・J・ジョンソンと首尾好く共演を果たしたことで名高い。

略歴

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デンマークオーフスに生まれ、1934年に家族に連れられアメリカ合衆国に移住する。1940年ニューヨークのスタイヴサント・ハイスクールを卒業すると、同年よりショーティ・アレン楽団に入団してプロのトロンボーン奏者として音楽活動に入る。その後まもなくソニー・ダナムアルヴィノ・レイと共演した。第2次世界大戦中は兵役に就いてアメリカ沿岸警備隊に勤めた。戦後はベニー・グッドマン楽団に加わり、後にスタン・ケントン楽団に移籍した。1949年にはマイルス・デイヴィスのアルバム『クールの誕生』のセッションにも参加しており、第4トラックから第12トラックにかけてその演奏を確かめることができる。1954年音楽プロデューサーオジー・カデナに催促されて、J・J・ジョンソンと協力し合ってトロンボーン二重奏による一連の録音に着手し、大成功を収める。当初はサヴォイ・レコードへの録音だったが、後にコロムビア・レコード用に録音が行われた。コロムビアでは、管楽器のさまざまな編成を試みており、トロンボーン八重奏を取り上げたアルバムのうち少なくとも1枚でトロンボニアムを採用している。

1960年代は長らくヴァーヴ・レコードに籍を置き、音楽プロデューサーのクリード・テイラーのもとで、とりわけ忘れがたい数点のジャズ・ポップのアルバムを制作した。この時期で最も有名な録音は、映画『世界残酷物語イタリア語: Mondo Cane)』のテーマ曲「モア(英語: More)」である。このヒット曲の編曲と指揮は、クラウス・オガーマンが務めた。この録音は、フランスの電子楽器オンディオリーヌ(Ondioline)がアメリカ合衆国で録音に使われた恐らく最初の例である。このセッションに参加したギタリストのヴィニー・ベルの回想によると、公式のクレジットにはウィンディングがオンディオリーヌを担当したと表記されているものの、実際に演奏したのはフランス人のジャン=ジャック・ペリーだった。

ヴァーヴ・レコード在籍中のウィンディングは、さまざまな楽器編成を徹底的に試してソロ・アルバムを制作し、アニタ・カー・シンガーズと共同でカントリー・ミュージックのアルバムさえ作っている。1960年代後半には、クリード・テイラーに従って新レーベルのA&MCTIに移籍し、J・J・ジョンソンと少なくとも2枚のアルバムを制作した。1970年代から1980年代初頭にかけては、多数のインディペンデント・レーベルに録音を行なった。この間に、短期講座やジャズ・コンサートを開き、また日本でのライブでJ・J・ジョンソンと再会を果たしている。ソロの譜例つきでジャズ・トロンボーンの教則本も上梓した。

1983年に脳腫瘍により逝去。エシュワン未亡人(Eschwan)は熟練した画家であった。

ディスコグラフィ

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リーダー・アルバム

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  • 『ローデッド』 - Loaded (1945年) ※with ビド・ムッソ、スタン・ゲッツ
  • Modern Jazz Trombones (1951年、Prestige) ※1949年録音。J・J・ジョンソンとのスプリット盤
  • Kai Winding All Stars (1952年、Roost) ※1949年-1951年録音
  • Jazz Workshop, Volume One: Trombone Rapport (1953年、Debut) ※with J・J・ジョンソン、ベニー・グリーン、ウィリー・デニス
  • Jazz Workshop, Volume Two: Trombone Rapport (1955年、Debut) ※1953年録音
  • Brass Fever (1956年、Impulse!) ※Brass Fever名義
  • Trombone Panorama (1956年、Columbia)
  • 『トロンボーン・サウンド』 - The Trombone Sound (1956年、Columbia)
  • 『トロンボーン・バイ・スリー』 - Trombone By Three (1956年、Prestige) ※J・J・ジョンソン、ベニー・グリーンとのスプリット盤
  • 『ウィズ・ザ・カイ・ウインディング・トロンボーンズ』 - The Axidentals with the Kai Winding Trombones (1958年、ABC-Paramount) ※ジ・アクシデンタルズ名義
  • The Swingin' States (1958年、Columbia)
  • Dance to the City Beat (1959年、Columbia)
  • 『ジ・インクレディブル・カイ・ウィンディング・トロンボーン』 - The Incredible Kai Winding Trombones (1960年、Impulse!)
  • Kai Olé (1961年、Verve)
  • Suspense Themes in Jazz (1962年、Verve)
  • The Great Kai Winding Sound (1962年)
  • 『ソウル・サーフィン』 - Soul Surfin' (1963年、Verve) ※with ケニー・バレル
  • Solo (1963年、Verve)
  • Kai Winding (1963年、Verve)
  • That's Where It Is (1963年、SESAC)
  • 『モンド・ケイン#2』 - Mondo Cane No. 2 (1964年、Verve)
  • Modern Country (1965年、Verve)
  • 『レイニー・デイ』 - Rainy Day (1965年、Verve)
  • The In Instrumentals (1965年、Verve)
  • Dirty Dog (1966年、Verve)
  • More Brass (1966年、Verve)
  • Penny Lane & Time (1967年、Verve)
  • 『ジャイアンツ・オブ・ジャズ イン・ロンドン』 - The Giants Of Jazz (1972年) ※with アート・ブレイキーディジー・ガレスピーアル・マッキボンセロニアス・モンクソニー・スティット
  • Danish Blue (1974年)
  • 『バップ・ファーザーズ』 - Bop Fathers "In Paris" (1977年) ※with アート・ブレイキー、ディジー・ガレスピー、アル・マッキボン、セロニアス・モンク、ソニー・スティット
  • Caravan (1977年、Glendale)
  • Jazz Showcase (1977年)
  • 『ヤードバード組曲』 - Lionel Hampton Presents Kai Winding (1977年)
  • Duo Bones (1979年、Red) ※with Dino Piana
  • Giant Bones '80 (1980年、Sonet) ※with カーティス・フラー
  • 『ボーン・ナペティ』 - Bone Appétit (1980年、Black & Blue) ※with カーティス・フラー
  • Trombone Summit (1981年、MPS) ※with アルベルト・マンゲルスドルフビル・ワトラス、ジグズ・ウィガム
  • 『ジャイアンツ・オブ・ジャズ・イン・ベルリン'71』 - Giants Of Jazz In Berlin '71" (1988年) ※with アート・ブレイキー、ディジー・ガレスピー、アル・マッキボン、セロニアス・モンク、ソニー・スティット
  • 『クリーヴランド1957』 - In Cleveland 1957 (1994年)

ジェイ・ジェイ・ジョンソン & カイ・ウィンディング(J&K)

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  • 『ジェイ・アンド・カイ』 - Jay and Kai (1954年、Savoy)
  • 『バードランドのJ&K』 - An Afternoon at Birdland (1954年、"X"/RCA)
  • Jay and Kai – Dec. 3, 1954 (1954年、Prestige)
  • 『K+J.J.』 - K + J.J. (1955年、Bethlehem)
  • 『ジェイ・アンド・カイ』 - Jay and Kai (1955年、Columbia)
  • 『トロンボーン・フォー・トゥー』 - Trombone for Two (1955年、Columbia)
  • Jay and Kai + 6, The Jay and Kai Trombone Octet (1956年、Columbia)
  • 『アット・ニューポート』 - Dave Brubeck and Jay & Kai at Newport (1956年、Columbia) ※デイヴ・ブルーベック・カルテットとのスプリット盤
  • 『J.J.&カイ・クインテット ベニー・グリーン・ウィズ・ストリングス』 - Kai And Jay, Bennie Green With Strings (1956年、Prestige) ※ベニー・グリーン・ウィズ・ストリングスとのスプリット盤
  • 『ザ・グレート・カイ&J.J.』 - The Great Kai & J. J. (1960年、Impulse!)
  • 『イスラエル』 - Israel (1968年、A&M/CTI)
  • 『ビットゥイクスト・アンド・ビットゥイーン』 - Betwixt & Between (1968年、A&M/CTI)
  • 『ストーンボーン』 - Stonebone (1969年、A&M/CTI)

脚注

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  1. ^ ケイ・ウィンディング」「カイ・ウインディング」「カイ・ワインディング」の表記もある。

参考文献

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  • ジャズ批評編集部編 編『ジャズ管楽器 : バリトン・サックス/ソプラノ・サックス/クラリネット/フルート/トロンボーン他』松坂〈ジャズ批評ブックス〉、2002年、252頁。ISBN 4-915557-12-X 

外部リンク

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