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虹彩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
虹彩
ヒトの虹彩の一例(薄茶色の部分)。中心の黒い円形の部分は瞳孔
眼球の断面図
英語 Iris
器官 感覚器
動脈 長後毛様体動脈
神経 長毛様体神経
短毛様体神経
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虹彩(こうさい、: Iris)は、脊椎動物及び軟体動物頭足類において、角膜水晶体の間にある薄い膜のことである。瞳孔の大きさを調節して網膜に入る光の量を調節する役割を持つ。瞳孔がカメラ絞りの開口部に相当する。

特徴

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虹彩は、目で色のついた部分である。中央には穴(瞳孔)があり、虹彩の中の平滑筋の働きにより、穴を大きくしたり小さくしたりして、網膜に入る光の量を調節する。ヒトの場合、虹彩の模様が個体によって違うことが知られており、このことを利用して個人認証を行なう場合がある(虹彩認証)。

また、上記とは逆に虹彩の模様から健康状態を分析する手法(虹彩分析)もある。

虹彩の色

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虹彩の色は、メラニン色素の量で決まる。通常、「目の色」といった場合は虹彩の色を指す。ここでは、ヒトの虹彩の色について述べる。

濃褐色(ブラウン)
最もメラニン色素が多い色でもある。最も多い色であり、どんな人種にも見られる色である。個体差もあるが、アフリカ系、アジア系のヒトのほとんどは濃いブラウンで、「黒」と見られる場合も多い。日本で、「目が黒いうちに」と言われるのは、日本人のほとんどは濃いブラウンの虹彩であることに由来する。明るいブラウンのヒトも多いが、濃いブラウンほど多くはない。
青(ブルー)
世界でブラウンの次に最もありふれた色である。北部ヨーロッパなど、日照量の少ない地域に多く、特にフィンランドリトアニアでは80%以上がこの色である。アイルランドイギリスでも多い。その他、中東中央アジアの高地でも見られる。アメリカ合衆国系の白人にも、高い割合で見られるが、これは移民の子孫と見るのが妥当であろう。
白人の場合、生まれた当初はブルーで、その後成長するにつれ違う色になる場合が多い。これは、生まれた当初はメラニン色素の沈着が進んでいないためである。
淡褐色(ヘーゼル)
ブラウンとグリーンが混ざった色であるが、おおむね「明るいブラウン」と見なされる色である。ブラウンに次いでメラニン色素の量が多い。中部ヨーロッパ及びスラブ系の人種に多い。少数ながら日本でも確認される。日本では西日本の特に九州地方に偏在している。
灰色(グレー)
ブルーのバリエーションと考えられる色で、ブルーよりややメラニン色素の量が多い。やはり白人に多い。
緑(グリーン)
ケルト系、ゲルマン系、スラブ系、ハンガリー系に見られるが、数はあまり多くない。中東、中央アジアの白人にも見られる。メラニン色素の量は、ヘーゼルより少なく、ブルーより多い。
赤(レッド)と青紫(バイオレット)
フラッシュ撮影では、赤目現象が発生することがある。この現象では、フラッシュの明るい血管の多い網膜に直接届き、瞳孔が赤く写る。この現象が重度の先天性白皮症(アルビノ)の人々の目で起こると、大量の色素の欠如のため、虹彩も赤く写ることがある。女優エリザベス・テイラーのように深い青の目を持つ人は、照明やメイクなどによっては紫色に見えることもあるが、「本当の」紫の目はアルビノによってのみ起こる。
虹彩異色症(オッドアイ)
極めて稀であるが、左右の虹彩の色が違う、もしくは虹彩の一部の色が異なる場合がある。これを虹彩異色症(いわゆるオッドアイ)という。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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