[go: up one dir, main page]

コンテンツにスキップ

武蔵艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
武蔵艦
Levi Woodbury
同型艦の「リーヴァイ・ウッドバリー」
基本情報
建造所 J. A. Robb & Co.
艦種 蒸気カッター
建造費 103,000USドル
艦歴
進水 1863年9月23日
就役 1864年8月15日(米国税関監視艇局
明治元年11月、明治政府が購入[1]
最期 明治2年2月22日、火災により炎上[2]
その後 修復後、商船として売却[3]
改名 キワニー → 武蔵艦
要目(キワニーとして)
排水量 350 トン
長さ 138フィート (42 m)
26フィート6インチ (8.08 m)
吃水 11フィート (3.4 m)
推進 蒸気機関
速力 12ノット (22 km/h)
乗員 明治元年[4]明治2年武蔵総員:69名[5]
テンプレートを表示

武蔵艦(むさしかん)は、軍務官直轄(日本政府日本海軍所有)の軍艦[6][7]。 艦名は武蔵国による[1]

概要

[編集]

武蔵艦は米国でポータクセット級英語版蒸気カッターの6番艦「キワニー (USRC Kewanee) として建造された。ポータクセット級は南北戦争中に税関監視艇局(現在の沿岸警備隊)のカッター(哨戒艦)として6隻が建造されたが、戦争中は船団の護衛と哨戒に従事していた。後に6隻中3隻が日本に売却されている。

艦歴

[編集]

1863年9月23日、アメリカで、税関監視船「キワニー (USRC Kewanee) 」として、ジョン・A・ロボ (John A. Robb) 造船所で進水、1864年6月に竣工。1867年7月10日、売却される。

明治元年9月18日(1868年11月2日)、「富士山」「武蔵丸」「飛龍丸」の3隻で脱走した「咸臨丸」を清水港で拿捕したと記録が残る[8][9]。 ただし購入前であり同一艦か不明な部分がある[6]

明治元年11月(1868年12月から翌年1月)、明治政府が購入して「武蔵艦」と命名した[1]。明治2年2月22日(1869年4月3日)、東京湾品川沖に停泊中、失火によって炎上した[1][2]

明治3年(1870年)秋、船体を大蔵省に移管され[1]、10月10日(1870年11月3日)引渡予定の記録が残る[10]

明治4年(1871年)、修復が完成し商船として売却された[3]

艦長

[編集]

同型艦

[編集]

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e #艦船名考(1928)pp.9-10、「8 武蔵 むさし Musasi.」
  2. ^ a b 『日本海軍史 第7巻』pp.461-462、武蔵(初代)。
  3. ^ a b #M4公文類纂26/武蔵艦売渡外務省問合画像1、外務刑部弾正臺往復「武蔵艦修復出来ニ付三州商人ヘ賣渡候間免状差出候様大蔵省ヨリ掛合来候処右ハ軍艦ニ而御省之管轄ニ有之大災ニ罹リ候由承及候処其後大蔵省ヘ属シ候義ニ候哉商船免状相渡候而差支無之哉御問合申進候此後有様軍艦ヲ商船ニ相用ヒ他之所管ニ相成候之時ハ舩目録相副当省ヘ為御知相成度此義申進置候也 辛未二月廿七日 外務省 兵部省御中」
  4. ^ #M1-M9海軍省報告書画像7、明治元年戊辰艦船総数表
  5. ^ a b #M1公文類纂/軍艦乗組人名録画像7-8、艦長1、士官7、病院1、その他水火夫60。
  6. ^ a b #銘銘伝(2014)pp.59-61、武蔵(むさし)
  7. ^ #日本近世造船史明治(1973)p.171
  8. ^ #M1公文類纂拾遺/脱艦咸臨丸清水港にて打取の件画像1-3、東海道報知記 戊辰 軍務官。
  9. ^ #M1-M9海軍省報告書画像4-6、明治元年戊辰(慶応4年9月8日改元)軍防事務局 軍務官。
  10. ^ #M2公文類纂/武蔵艦引渡方大蔵省へ掛合画像1、類第61号海軍日誌103「過日御掛合有之候武蔵艦明十日十一字頃御渡可申間田町三丁目同艦宿ヘ受取之者御差出シ被成度尤於当省是迄修復取掛リ候分ハ入費別紙之通御渡シ相成度傍申入候也 十月九日 兵部省 大蔵省御中」

参考文献

[編集]
  • アジア歴史資料センター(公式)(防衛省防衛研究所)
    • 『記録材料・海軍省報告書第一』。Ref.A07062089000。 (国立公文書館)
    • 『明治元年 公文類纂 完 本省公文/軍艦乗組人名録』。Ref.C09090001300。 
    • 『明治元年 公文類纂 拾遺完 本省公文/兵部省書類鈔録 脱艦咸臨丸清水港にて打取の件柳川藩届』。Ref.C09090013000。 
    • 『公文類纂 明治2年 完 本省公文/海軍日誌 10月 武蔵艦引渡方大蔵省へ掛合』。Ref.C09090020600。 
    • 『公文類纂 明治4年 巻26 本省公文 艦船部/外務刑部弾正台往復 武蔵艦商人へ売渡の件に付云々外務省問合』。Ref.C09090402700。 
  • 浅井将秀/編『日本海軍艦船名考』東京水交社、1928年12月。 
  • 海軍歴史保存会『日本海軍史 第7巻』海軍歴史保存会、1995年。
  • 片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝<普及版> 全八六〇余隻の栄光と悲劇』潮書房光人社、2014年4月(原著1993年)。ISBN 978-4-7698-1565-5 
  • 造船協会『日本近世造船史 明治時代』 明治百年史叢書、原書房、1973年(原著1911年)。 
  • Kewanee, 1863アメリカ沿岸警備隊

関連項目

[編集]