棒
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棒(ぼう)は、細長い円柱など柱形の道具や部品の総称。手で持つなどして自由に動かせるものを呼ぶことが多い。棒と呼ばれるものには竿、杖、スティック 、バー、ワンド、ロッド、ポールなどが含まれる。地面に立てて固定された長大なものは棒ではなく柱と呼ばれる。
この項目では主に道具の棒について扱う。
歴史
[編集]人類は600万年から700万年前にアフリカで誕生したといわれているが、地殻変動により土地は乾燥して森林は縮小した[1]。サバンナの拡大に伴い、人類は木を降りて二足歩行をするようになったが、これにより手が自由に使えるようになるとともに脳が発達した[1]。そして石や木の棒を道具として使い始めたといわれている[1]。
用途
[編集]打撃
[編集]手でつかんで何かを叩くのに使われる。
武器
[編集]単純な棒から、複雑な構造や機構(鋲、伸縮、電撃など)を備えたものまである。
- 棍棒 - 武器に使われる重みのある棒。
- 警棒 - 警察官や警備員などが使う棍棒。
- 金棒 - 鉄製の大きな棍棒。鬼が持つと伝えられることで有名。
- ゲバ棒 - 左翼団体の武力闘争で使われる武器。木の角材が広く使われる。
- 如意棒 - 孫悟空が持っていたと伝えられる武器。
- 狼牙棒 - モーニングスターに似た中国の武器。
- ムンチャン - 120cmほどのまっすぐな棒。杖のように使われるインドの武器。
- オッタ - 象牙に似ている曲がった棍棒。剣のように使われるインドの武器。
スポーツ・武術
[編集]- 棒術 - 長さ六尺(1.8メートル)の長い木の棒を使う武術。単に棒とも言う。
- スポーツチャンバラ - 空気で膨らませた「エアーソフト剣」を使う。「棒」と呼ばれるもののほか、さまざまな種類がある。
- 野球 - バットを使う。古くは「棒球」と呼ばれていた。中国語では今もこう呼ぶ。
支持
[編集]何かを載せたりぶら下げたりする棒。この用途の場合、動かせないものを棒と呼ぶ例もある。
- 天秤棒 - 肩に担いで荷物をぶら下げて運ぶ棒。
- 心張り棒 - 戸や窓が開かないように押さえる棒。
- 鉄棒・平行棒 - 棒を水平に張った体操器具。
- 棒のぼり - 地面に立てた棒を上る運動。
- 棒高跳 - 陸上競技の1種目。ポールで体を支えて跳ぶ高さを競う。
加工
[編集]指示
[編集]棒の位置や動きで指示を伝える。
慣用句・派生語
[編集]- 棒読み - 棒がまっすぐで変化がないことから、単調で感情の抑揚がない声の演技。声についての「大根役者」。単に棒とも言う。
- 棒に振る - 棒手振(天秤棒を振って品物を売り歩く商人)がいくら努力してもなかなか店を持てないことから、努力が無駄になること。
- 棒引き - 帳簿の金額に棒線を引いて取り消しすことから、借金の帳消しを意味する。
- 犬も歩けば棒にあたる - 物事を行えば災い(あるいは幸い)が起こりうるということわざ。
- 棒棒鶏 - 鶏肉料理の一つ。肉を棒で叩いてやわらかくしたことから。
- 相棒 - 2人組で籠や畚の棒の前後を担ぐことから、2人組の相手の意味。
- 用心棒 - 護身のための武器の棒から、ボディーガードのこと。
脚注
[編集]関連項目
[編集]- 棒倒し - 相手チームの立てた棒を倒しあうゲーム。
- 燃料棒 - 核燃料を棒状に加工したもの。
- 制御棒 - 原子炉の炉心に出し入れして出力を制御する棒。
- 棒グラフ - 長方形の高さで数量を表すグラフ。線グラフとは別[1](同義とされる場合もある[2])。
- 球棒モデル - 分子構造を棒と球で図示する方法。
- 棒足 - 1日(あるいは他の一定期間)の株価変動を棒の長さで表すグラフ。
- 棒人間 - 体や手足を棒線だけで描かれた人間のイラスト。
- 丨部 - 漢字の部首の1つ(康熙字典214部首の2番目)で、俗に棒と呼ぶ。
- 棒銀 - 銀をまっすぐ進める将棋の戦法。棒金もある。
- 棒芯 - 建築現場の技能集団のリーダー。語源は英語のboatswain(甲板長)と言われる。
- ^ 日本国語大辞典,デジタル大辞泉,世界大百科事典内言及, 精選版. “線グラフ(せんグラフ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2023年4月27日閲覧。 “世界大百科事典内の線グラフの言及 【統計グラフ】より [線グラフ]一つの量の動きに対する他の量の変化の状態を表す関数グラフで,とくに時間の経過に応じて変化する量を考える場合(時系列という)が多く,折れ線(図5)または曲線で表す。棒グラフでは絶対量の大小を長さの長短で表すのに対し,線グラフでは変化の状況を高さの増減で表す”
- ^ 日本国語大辞典,デジタル大辞泉,世界大百科事典内言及, 精選版. “線グラフ(せんグラフ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2023年4月27日閲覧。 “せん‐グラフ【線グラフ】〘名〙 (グラフはgraph) 数量の変化の様子や分布状態を表わすグラフの一つ。数量の大きさに比例する線分(棒)を並べたもの。棒グラフ。”