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斎藤貴男

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

斎藤 貴男(さいとう たかお、1958年(昭和33年)4月4日 - )は、日本ジャーナリスト九条の会傘下の「マスコミ九条の会」呼びかけ人を務める[1]

経歴

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東京都生まれ。東京都立北園高等学校早稲田大学商学部卒業、イギリスバーミンガム大学大学院で国際学修士を取得。『日本工業新聞』、『プレジデント』編集部、『週刊文春』の記者を経てフリー。主に時事、社会経済、教育問題等に関して、格差社会新自由主義政府による情報統制に対する批判などで知られている。

2007年、『週刊現代』にて「社史から「消えた」創業者とあの「七三一部隊」との関係-“タブー”を追うと見えてきたもの」に寄稿。御手洗冨士夫七三一部隊が特別な関係にあるという報道をした[2]キヤノン株式会社と御手洗はこれを名誉棄損として、2億円の損害賠償と謝罪広告を求めて民事訴訟を提起した[3][4]。1審の東京地方裁判所では見出しの内容に名誉棄損があったとして、講談社に200万円の支払いを命じたが、2審の東京高等裁判所でキヤノン側が逆転敗訴。最高裁でも御手洗らの上告が退けられた[5]

ゴミ屋敷の発生原因を「モノが溢れている現代社会」「人との繋がりが失われた現代社会」に求める。『追跡!AtoZ』(NHK)に出演した際は、「派遣村などの発生からもこの問題は分かる」と、ゴミ屋敷問題と派遣切り問題を結び付けて語った[6]

消費税の構造に早くから疑念を呈する。2011年11月20日、『日曜討論』(NHK)に出演した際は、「消費税は下請け、つまり赤字経営の中小自営業者に転嫁される。最下層を助けるために、底辺から二番目の層を犠牲にしていいのか」「このままでは自殺者がさらに増えることになる」と前原誠司に詰め寄った[7]

2012年、『「東京電力」研究 排除の系譜』で、第3回いける本大賞を受賞[8]。2013年4月より、放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会委員。2019年3月末日退任[9]

人物

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  • 父は1956年までシベリアにおり、約23年後の1979年に亡くなるまで公安の視察下に置かれていた。斎藤貴男本人によると「就職にも大いに影響した」とのこと[10]

著書

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単著

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  • 『国が騙した――NTT株の犯罪』(1993年、文藝春秋
  • 『夕やけを見ていた男――評伝梶原一騎』(1995年、新潮社
    • 改題『梶原一騎伝』(2001年、新潮文庫
    • 改題『梶原一騎伝 夕やけを見ていた男』(2005年、文春文庫
    • 改題『「あしたのジョー」と梶原一騎の奇跡』(2016年、朝日文庫)
  • 『源泉徴収と年末調整――納税者の意識を変えられるか』(1996年、中公新書
    • 改題『大増税のカラクリ―サラリーマン税制の真相』(2006年、ちくま文庫
  • 『ワクチンの作られ方・打たれ方――メーカー事情から被害者訴訟まで』(1996年、ジャパンマシニスト社)
  • 『カルト資本主義――オカルトが支配する日本の企業社会』(1997年、文藝春秋 2000年、文春文庫)  
    • 改題『カルト資本主義 増補版』(2019年、ちくま文庫)
  • 『プライバシー・クライシス』(1999年、文春新書
  • 『精神の瓦礫――ニッポン・バブルの爪痕』(1999年、岩波書店
    • 改題『バブルの復讐――精神の瓦礫』(2003年、講談社文庫
  • 『機会不平等』(2000年、文藝春秋 2004年、文春文庫 2016年、岩波現代文庫)
  • 『外資系で働けますか――あなたを待ち受ける人生』(2000年、光文社
  • 『人間破壊列島』(2001年、太陽企画出版)
    • 改題『国家に隷従せず』(2004年、ちくま文庫)
  • 『サラリーマン税制に異議あり!』(2001年、NTT出版
  • 『経済小説がおもしろい。――日本の未来を解く30冊』(2001年、日経BP社
  • 『ビジネスマン、必読。――会社と国、そして自由を考える100冊』(2001年、日経ビジネス人文庫
  • 『小泉改革と監視社会』(2002年、岩波ブックレット
  • 『斎藤貴男 起業家に会いにゆく』(2002年、日本実業出版社
  • 『空疎な小皇帝――「石原慎太郎」という問題』(2003年、岩波書店 2006年、ちくま文庫)
    • 改題『東京を弄んだ男 「空疎な小皇帝」石原慎太郎』(2011年、講談社文庫)
  • 『日本人を騙す39の言葉』(2003年、青春出版社
    • 改題『不屈のために――階層・監視社会をめぐるキーワード』(2005年、ちくま文庫)
  • 『希望の仕事論』(2004年、平凡社新書
  • 『教育改革と新自由主義』(2004年、子どもの未来社)
  • 『人を殺せと言われれば、殺すのか――自由のための書評&ルポ集』(2004年、太陽企画出版)
  • 『安心のファシズム――支配されたがる人びと』(2004年、岩波新書)
  • 『絶望禁止!』(2004年、日本評論社
  • 『「非国民」のすすめ』(2004年、筑摩書房 2007年、ちくま文庫)
  • 『人間選別工場 新たな高校格差社会』(2005年、同時代社)
  • 『ルポ改憲潮流』(2006年、岩波新書
  • 『分断される日本』(2006年、角川書店 2008年、角川文庫)
  • 『みんなで一緒に「貧しく」なろう――斎藤貴男対談集』(2006年、かもがわ出版
  • 『住基ネットの〈真実〉を暴く――管理・監視社会に抗して』(2006年、岩波ブックレット)
  • 『報道されない重大事』(2007年、ちくま文庫)
  • 『「心」が支配される日』(2008年、筑摩書房)
    • 改題『「心」と「国策」の内幕』(2011年、ちくま文庫)
  • 『メディア@偽装』(2008年、マガジンハウス
  • 『カナリアが沈黙するまえに』(2008年、同時代社)
  • 『強いられる死 自殺者三万人超の実相』(2009年、角川学芸出版 2012年、河出文庫)
  • 『いま、立ち上がる 大転換に向かう"弱肉強食"時代』(2009年、筑摩書房)
  • 『経済学は人間を幸せにできるのか』(2010年、平凡社)
  • 『消費税のカラクリ』(2010年、講談社現代新書
    • 『決定版 消費税のカラクリ』(2019年、ちくま文庫)
  • 『消費増税で日本崩壊』(2010年、ベスト新書)
  • 『民意のつくられかた』(2011年、岩波書店 2014年、岩波現代文庫)
  • 『「東京電力」研究 排除の系譜』(2012年、講談社 2015年、角川文庫)
  • 『私がケータイを持たない理由』(2012年、祥伝社新書)
  • 『安倍改憲政権の正体』(2013年、岩波ブックレット)
  • 『ポスト成長神話の日本経済 「アベノミクス」を問う』(2013年、かもがわ出版)
  • 『戦争のできる国へ──安倍政権の正体』(2014年、朝日新書
  • 『ちゃんとわかる消費税』(2014年、河出書房新社・『14歳の世渡り術』シリーズ)
  • 『民主主義はいかにして劣化するか』(2014年、ベスト新書)
  • 『子宮頸がんワクチン事件』(2015年、集英社インターナショナル)
  • 『ジャーナリストという仕事』(2016年、岩波ジュニア新書)
  • 『「マイナンバー」が日本を壊す』(2016年、集英社インターナショナル)
  • 『ゲンダイ・ニッポンの真相』(2016年、同時代社)
  • 『失われたもの』(2016年、みすず書房)
  • 『国民のしつけ方』(2017年、インターナショナル新書)
  • 『健太さんはなぜ死んだか―警官たちの「正義」と障害者の命』(2017年、山吹書店)
  • 『戦争経済大国』(2018年、河出書房新社)
  • 『勇気を失うな 心に太陽を持て』(2018年、同時代社)
  • 『日本が壊れていく――幼稚な政治、ウソまみれの国』(2018年、ちくま新書)
  • 『「明治礼賛」の正体』(2018年、岩波ブックレット)
  • 『平成とは何だったのか――「アメリカの属州」化の完遂』(2019年、秀和システム)
  • 『驕る権力、煽るメディア』(2019年、新日本出版社)

児童書

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  • 『いちばんたいせつなもの』(2021年、新日本出版社)

共著

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  • 『リアル国家論』(2000年、教育史料出版会)共著:宮台真司宮崎哲弥網野善彦姜尚中辛淑玉・加納美紀代・藤井誠二樹村みのり太田昌国・沢田竜夫・梅野正信
  • 『いったい、この国はどうなってしまったのか!』(2003年、日本放送出版協会)共著:魚住昭
  • 『文筆生活の現場』(2004年、中公新書ラクレ)
  • 『平和と平等をあきらめない』(2004年、晶文社)共著:高橋哲哉
  • 『言論統制列島――誰もいわなかった右翼と左翼』(2005年、講談社)共著:鈴木邦男森達也
    • 改題『言論自滅列島』(2011年、河出文庫)
  • 『禁煙ファシズムと戦う』(2005年、ベスト新書)共著:小谷野敦栗原裕一郎
  • 『ニッポン不公正社会』(2006年、平凡社)共著:林信吾
  • 『戦争で得たものは憲法だけだ―憲法行脚の思想』(2006年、七つ森書館)共著:落合恵子香山リカ・姜尚中・佐高信城山三郎森永卓郎・辛淑玉ほか
  • 『払いません。 ナンデ?モッタイナイ!』(2006年、三五館)共著:和合秀典本多勝一今井亮一・日向咲嗣・松谷宏・堀泰夫・浦井裕樹・日下部雅喜
  • 『続 いったい、この国はどうなってしまったのか!――メディア時評2003年4月-2006年11月』(2006年、日本放送出版協会)共著:魚住昭・目取真俊
  • 『日本人と戦争責任――元戦艦武蔵乗務員の「遺書」を読んで考える』(2007年、高文研)共著:森達也
  • 『あなたは戦争で死ねますか』(2007年、生活人新書)共著:沼田鈴子、広岩近広、知念ウシ
  • 『君、殺したまうことなかれ―憲法行脚の思想 2』(2007年、七つ森書館)共著:香山リカ・姜尚中・佐高信・澤地久枝高橋哲哉土井たか子ほか
  • 『超日本国憲法』(2007年、講談社)共著:潮匡人、鈴木邦男、林信吾
  • 『石原慎太郎よ、退場せよ!』(2009年、洋泉社新書)共著:吉田司
  • 『虚飾の経営者 稲盛和夫』(2010年、金曜日)共著:佐高信
  • 『税が悪魔になるとき』(2012年、新日本出版社)共著:湖東京至
  • 『消費税増税 「乱」は終わらない』(2012年、同時代社)共著:植草一秀
  • 『遺言 「財界の良心」から反骨のジャーナリストへ』(2013年、青灯社)共著:品川正治
  • 『「共謀罪」なんていらない?!――これってホントに「テロ対策」?』(2016年、合同出版)共著:山下幸夫・保坂展人・足立昌勝・海渡雄一
  • 『誰も語らなかった 首都腐敗史』(2017年、成甲書房)共著:森田実
  • 『生前退位‐天皇制廃止‐共和制日本へ』(2017年、第三書館)共著:杉村昌昭絓秀実、下平尾直、堀内哲
  • 新にっぽん診断 – 腐敗する表層、壊死する深層(2020年、三一書房)共著:前田朗

共編著

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  • 『住基ネットと監視社会』(2003年、日本評論社)共著:田島泰彦山本博
  • 『封印される不平等』(2004年、東洋経済新報社)共著:橘木俊詔苅谷剛彦佐藤俊樹
  • 『成果主義神話の崩壊』(2005年、旬報社)共著:東京管理職ユニオン
  • 『「治安国家」拒否宣言――「共謀罪」がやってくる』(2005年、晶文社)共著:沢田竜夫
  • 『ジャーナリズムの条件3 メディアの権力性』(2005年、岩波書店)共著:佐野眞一・大塚将司・川﨑泰資・北村肇・築地達郎・大滝純治ほか
  • 『教育格差と階層化――斎藤貴男対談集 自己教育する身体をとりもどそう』(2005年、批評社)編集:「教育改革」研究会
  • 『憲法が変わっても戦争にならないと思っている人のための本』(2006年、日本評論社 ISBN 978-4535515253)共著:高橋哲哉
    • 改題『憲法が変わっても戦争にならない?』(2013年、ちくま文庫)
  • 『現代の貧困と不平等 日本・アメリカの現実と反貧困戦略』(2007年、明石書店)共著:青木紀・杉村宏
  • 『日本をだめにする40の悪法』(2007年、合同出版)共著:石埼学
  • 『格差社会を越えて』(2012年、東京大学出版会)共著:宇沢弘文・橘木俊詔・内山勝久
  • 『徹底検証 日本の右傾化』(2017年、筑摩書房)共著:塚田穂高
  • 『徹底検証 教育勅語と日本社会――いま、歴史から考える』(2017年、岩波書店)編集:岩波書店編集部

漫画原作

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鉄屋三三二名義
  • 『特派記者ドッポ』1~3巻(画・田中つかさ、1997、98年、文藝春秋)

出演

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脚注

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外部リンク

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