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成実論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

成実論』(じょうじつろん、: Satyasiddhi, Tattvasiddhi)は、訶梨跋摩(かりばつま、Harivarman, ハリヴァルマン)によって著された、16巻の仏教論書である。

概要

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鳩摩羅什の漢訳が現存しているが、サンスクリット本およびチベット語訳本はない。翻訳は、弘始13年(411年9月8日に始めて、同14年9月15日に終了している。経量部にも学び、法がであることを強調する多聞部の論書である[1]。また、心を本体()と心理現象(心所)とに分ける説に反対して、一つのまとまりあるものとして捉えることを主張している。

202品で、35品までに三宝を明かし、続いて94品までに苦諦、140品までに集諦、154品までに滅諦、202品までに道諦を明かしている。

成実宗

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中国では、『倶舎論』が翻訳されるまでは仏教教理の綱要書の代表とみなされ、盛んに研究されて、成実宗を形成するに至った。ただし、『成実論』が大乗論書であるか部派論書であるかということで論議が生じた。

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ 福原 1969, pp. 49–52.

参考図書

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  • 平井俊榮; 荒井裕明; 池田道浩『毘曇部6 成実論1』大蔵出版〈新国訳大蔵経 15〉、1999年。ISBN 4804380167 
  • 福原亮厳『成実論の研究 : 仏教諸派の学説批判』永田文昌堂、1969年。 

関連項目

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