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国道388号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一般国道
国道388号標識
国道388号
地図
地図
総延長 225.8 km
実延長 203.5 km
現道 198.2 km
制定年 1975年昭和50年)指定(1993平成5年)延伸)
起点 大分県佐伯市
佐伯駅前交差点(北緯32度58分20.70秒 東経131度54分9.31秒 / 北緯32.9724167度 東経131.9025861度 / 32.9724167; 131.9025861 (佐伯駅前交差点)
主な
経由都市
宮崎県延岡市東臼杵郡門川町美郷町
熊本県球磨郡水上村
終点 熊本県球磨郡湯前町北緯32度16分52.83秒 東経130度58分58.55秒 / 北緯32.2813417度 東経130.9829306度 / 32.2813417; 130.9829306
接続する
主な道路
記法
国道217号標識 国道217号
E10 東九州自動車道
国道10号標識 国道10号
国道218号標識 国道218号
国道265号標識 国道265号
国道219号標識 国道219号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

国道388号(こくどう388ごう)は、大分県佐伯市から宮崎県延岡市を経て、熊本県球磨郡湯前町に至る一般国道である。

概要

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大分県の南東部に位置する佐伯市佐伯駅前の国道217号分岐から日向灘に面するリアス式海岸に沿って南下して宮崎県延岡市を中継し、宮崎県中央部の九州山地を東西に横断して、熊本県南部の人吉盆地にある球磨郡湯前町国道219号交点に至る、延長約226 km一般国道の路線である。主な通過地は宮崎県延岡市、東臼杵郡門川町美郷町椎葉村、熊本県球磨郡水上村である。宮崎県内の延岡市から門川町までの約22 kmにかけて、国道10号と重用する。東九州自動車道とは、佐伯 - 延岡間で平行し、蒲江IC北浦ICで直接接続する。

指定当初は延岡市以外のほとんどが未改良区間であったが、日豊海岸沿いは道路の改良が進み、通行の難度は少々低くなった。これに対し、海岸沿いの大分県・宮崎県の県境付近と、美郷町南郷区鬼神野 - 熊本県水上村湯山の大河内越(椎葉村内)・湯山峠(椎葉村・水上村)の山岳部は、未改良ですれ違いが困難な箇所や路面状態も悪いことから、九州の代表的な「酷道」に数えられている[1]

山間部は冬季は積雪路面凍結等による交通規制が多く、夏季は台風大雨による土砂災害地すべり、落石、路肩決壊による全面通行止めや重量規制になることがある。

路線データ

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全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML

一般国道の路線を指定する政令[2][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。

歴史

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路線状況

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2011年1月時点の大分・宮崎県境。東九州道、蒲江北浦農道などを利用することで当該区間を迂回することが可能である。
大分県佐伯市 - 宮崎県延岡市
大分・宮崎県境の「酷道区間」を迂回する蒲江北浦農道への分岐点(宮崎県側)
美郷町役場南郷支所(旧南郷村役場)には西郷・南郷間の早期整備を訴えた垂れ幕が掛けられている。
宮崎県東臼杵郡美郷町 南郷区

大分・宮崎県区間は狭隘な山林の中を走る峠越えの酷道区間がある。並行している蒲江北浦農道(蒲北トンネル方面)への誘導案内があるため、車が走行している形跡がほぼない(落ち葉や小石が散乱し、路面も荒れている)。また、並行して無料の東九州自動車道が通過していることから、将来改良される見通しもないとの見方がされている。延岡市大門町から日向市手前の東臼杵郡門川町中須まで国道10号と重複する[9]。美郷町に日平バイパス(美郷トンネル)開通後もバイパスに並行する現役の旧道が残されており、小原隧道のある旧道を通過する車両は少ない[10]。東臼杵郡椎葉村大字大河内で国道265号との重複区間が約3.5 kmにわたる。熊本県の市房ダム至近で、熊本県球磨郡水上村と同郡湯前町の町村界付近には奥球磨ループ橋が設置されている[9]

バイパス

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延岡市以北の日豊海岸沿いはバイパス道路の建設が進んでおり、一部を除いて全線開通している。また美郷町北郷区・西郷区などでは道路拡幅が進行中であるが、美郷町南郷区以降は未改良状態となっている。

また佐伯市 - 延岡市の県境区間については、並行して東九州自動車道が開通しており、新直轄方式での整備のため無料で通行が可能である。そのため、狭隘路が残る県境区間の実質的なバイパスとして機能している[11]

  • 畑野浦バイパス(佐伯市大字木立 - 同市蒲江大字畑野浦)
  • 浦城バイパス(延岡市須美江町 - 同市浦城町)
  • 無鹿バイパス(延岡市無鹿町 - 同市大門町)
  • 東谷バイパス
  • 和田越バイパス(美郷町西郷区 - 美郷町北郷区、延長4.9 km)
  • 日平バイパス(美郷町西郷田代 - 美郷町南郷水清谷)
  • 蒲江バイパス
  • 古江バイパス
  • 畑の浦バイパス
  • 小蒲江バイパス
  • 小蒲江森崎浦バイパス(佐伯市蒲江大字蒲江浦 - 佐伯市大字森崎浦、延長 2.8 km)

通称

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  • 日豊リアスライン(延岡市北浦町三川内 - 延岡市無鹿町)[12]

重複区間

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国道10号との重複区間。交通量が多いため、4車線で整備されている。
宮崎県東臼杵郡門川町

道路施設

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橋梁

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奥球磨ループ橋
  • 新佐伯大橋(番匠川、大分県佐伯市新女島 - 同市大字池田)
  • 茶屋ケ鼻橋(堅田川、佐伯市大字長谷)
  • 川島橋(北川、延岡市川島町 - 同市無鹿町)
  • 奥球磨ループ橋(熊本県球磨郡湯前町浜川)

トンネル

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  • 畑野浦トンネル(佐伯市大字木立 - 同市蒲江大字畑野浦)
  • 入津トンネル(佐伯市蒲江大字畑野浦)
  • 高山トンネル(佐伯市蒲江大字竹野浦河内)
  • 新小向トンネル(佐伯市蒲江大字蒲江浦)
  • 小蒲江トンネル(佐伯市蒲江大字蒲江浦)
  • 猪串トンネル(佐伯市蒲江大字猪串浦)
  • 古江トンネル(延岡市北浦町三川内 - 同市北浦町古江)
  • ハイトンネル(延岡市北浦町古江)
  • 東谷トンネル(延岡市北浦町古江)
  • 熊野江トンネル(延岡市北浦町古江 - 同市熊野江町)
  • 新須美江トンネル(延岡市熊野江町)
  • 新浦城トンネル(延岡市須美江町)※浦城バイパス
  • 裏城トンネル(延岡市浦城町 - 同市北川町長井)
  • 川島トンネル(延岡市北川町長井 - 川島町)
  • 山口トンネル(宮崎県東臼杵郡美郷町北郷宇納間)
  • 美郷トンネル(日平バイパス、美郷町西郷田代 - 美郷町南郷水清谷)

道の駅

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  • 大分県
  • 宮崎県
    • 北浦(延岡市北浦町)

特殊車両通行規制区間

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  • 大分県佐伯市蒲江丸市尾浦 - 宮崎県延岡市北浦町三川内
  • 宮崎県美郷町南郷区鬼神野 - 熊本県水上村湯山

地理

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大河内越(宮崎県椎葉村)

大分県佐伯市の旧蒲江町のリアス式海岸に沿って国道は南下する[9]。大分県・宮崎県の県境付近の酷道区間は、海岸付近から丘陵地の山越えの傾斜地で、峠は標高300 m付近を通過する[9]。道路は日向灘沿いに宮崎県門川町まで南下し、ここから内陸の美郷町へ分け入って行き、美郷町役場前を通過していく[9]。九州山地のの山岳部で、宮崎県椎葉村に入ると標高1,134 mの大河内越(耳川水系と一ツ瀬川水系の分水嶺)を通過していて、この付近は日本有数の多雨地帯であるため苔むした崖沿いの道である[1]。美里町と椎葉村の境界に林道との交差点があり、この林道の中山峠越えの長大トンネルを抜けて椎葉村の中心部へ抜けることが出来る[10]。宮崎県と熊本県の県境付近で、九州山地の中央分水嶺である湯山峠(標高944 m)を越える[9]。熊本県側の沿線には、湯山温泉(水上村)やゆのまえ温泉(湯前町)など温泉施設がある。

通過する自治体

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椎葉村 - 水上村間は、かつて境界未確定地帯を通っていた(2010年(平成22年)に境界確定)。

交差する道路

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交差する道路 都道府県名 市町村名 交差する場所
国道217号 大分県 佐伯市 駅前2丁目 佐伯駅前交差点 / 起点
大分県道37号佐伯蒲江線 大字池田
大分県道604号梶寄浦佐伯線 上灘
大分県道607号長良木立線 大字木立
大分県道501号色宮港木立線 大字木立
大分県道687号西野浦河内線 蒲江大字竹野浦河内
大分県道37号佐伯蒲江線 蒲江大字蒲江浦
E10 東九州自動車道 蒲江大字森崎浦 19 蒲江IC
宮崎県道・大分県道122号古江丸市尾線 蒲江大字丸市尾浦
宮崎県道43号北川北浦線 宮崎県 延岡市 北浦町三河内
E10 東九州自動車道 北浦町古江 20 北浦IC
宮崎県道・大分県道122号古江丸市尾線 北浦町古江 延岡市古江交差点
宮崎県道243号須美江インター線 須美江町 須美江町交差点
宮崎県道212号浦城東海線 浦城町
宮崎県道212号浦城東海線 川島町
国道10号 重複区間起点
国道326号 重複区間起点
大門町
宮崎県道223号延岡港線 粟野名町
国道218号
国道326号 重複区間終点
昭和町
E10 延岡南道路 塩浜町 23 延岡南IC
宮崎県道49号北方土々呂線
宮崎県道224号遠見半島線
土々呂町 土々呂町交差点
E10 延岡南道路 東臼杵郡 門川町 須賀崎3丁目 24 門川IC
宮崎県道224号遠見半島線 大字加草 門川町加草交差点
宮崎県道229号門川停車場線
宮崎県道232号門川港線
門川尾末 鳴子交差点
国道10号 重複区間終点 中須3丁目 中須交差点
宮崎県道226号土々呂日向線 上町6丁目
宮崎県道225号八重原延岡線 大字川内
宮崎県道20号北方北郷線 美郷町 北郷区黒木
宮崎県道210号宇納間日之影線 北郷宇納間
国道327号 重複区間起点
国道503号 重複区間起点
西郷田代
国道327号 重複区間終点
国道503号 重複区間終点
西郷田代
国道446号 重複区間起点 南郷水清谷
宮崎県道39号西都南郷線 南郷神門(みかど)
国道265号 重複区間起点 椎葉村 大字大河内
国道265号 重複区間終点 大字大河内
宮崎県道・熊本県道142号上椎葉湯前線 重複区間起点 熊本県 球磨郡 水上村 大字岩野
熊本県道264号幸野染田線 大字岩野
熊本県道33号人吉水上線
熊本県道161号五木湯前線 重複区間起点
大字岩野
国道219号
国道446号 重複区間終点
熊本県道43号錦湯前線
宮崎県道・熊本県道142号上椎葉湯前線 重複区間終点
熊本県道161号五木湯前線 重複区間終点
湯前町 中里 終点

交差する鉄道

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  • 小原峠
  • 大河内越
  • 湯山峠

ギャラリー

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脚注

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注釈

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  1. ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  2. ^ 2005年3月3日、佐伯市南海部郡宇目町・南海部郡蒲江町・南海部郡上浦町・南海部郡鶴見町・南海部郡直川村・南海部郡本匠村・南海部郡弥生町・南海部郡米水津村が合併して、新佐伯市発足。
  3. ^ a b 2006年1月1日、東臼杵郡北郷村・東臼杵郡西郷村・東臼杵郡南郷村が合併して、東臼杵郡美郷町発足。
  4. ^ a b c d e f g 2022年3月31日現在

出典

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  1. ^ a b 鹿取茂雄 2018, pp. 80–81.
  2. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2014年10月3日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2022. 国土交通省道路局. 2023年4月19日閲覧。
  4. ^ 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2014年10月3日閲覧。
  5. ^ a b c d e 宮崎県県土整備部道路建設課「2017 みやざきの道路」 (PDF) 、34ページ
  6. ^ 宮崎県日向土木事務所「一般国道国道388号 日平バイパス」 (PDF)
  7. ^ 美郷町「広報みさと(2015年1月号)」 (PDF)
  8. ^ 国道388号 楠本古浦トンネルの開通について” (PDF). 大分県佐伯土木事務所 (2023年1月20日). 2023年2月5日閲覧。
  9. ^ a b c d e f 鹿取茂雄 2018, p. 80.
  10. ^ a b 鹿取茂雄 2018, p. 81.
  11. ^ 東九州自動車道(蒲江〜北浦)の工事が本格化 - 社団法人 九州地方計画協会
  12. ^ 観光概要” (PDF). 宮崎県. p. 13. 2014年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月14日閲覧。

参考文献

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  • 鹿取茂雄(著)、磯部祥行(編)「国道388号〈大河内越〉」『酷道大百科』〈ブルーガイド・グラフィック〉、実業之日本社、2018年12月28日、80 - 81頁、ISBN 978-4-408-06392-8 
  • 松波成行など 『酷道をゆく2』 イカロス出版、2008年、27-31頁。ISBN 978-4-86320-072-2
  • 新規事業採択時評価結果(平成18年度新規事業化箇所)事業名・一般国道388号 小蒲江森崎浦バイパス (PDF) - 国土交通省道路局国道・防災課
  • 再評価結果(平成20年度事業継続箇所)事業名・一般国道388号 畑の浦〜楠本バイパス (PDF) - 国土交通省道路局国道・防災課

関連項目

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外部リンク

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