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四逆散

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

四逆散(しぎゃくさん)とは、漢方方剤の一つ。出典は「傷寒論」で、日本江戸時代に当代随一の臨床家と謳われた和田東郭により、心身症等の疾患に特に有効であることを見いだされ、以降現代に至るまで漢方薬の代表的な処方として定着した[1]四逆湯と名前が似ているので、混同されやすいが全く違う漢方薬である。

概要

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和田東郭は、「四逆散 希代の霊方なり。常に用いてその効の凡ならざるを知るべし」と述べており、神経の高ぶりや不安を抑制し、胃腸症状を改善する処方として知られる[1]。寒性の生薬の芍薬と柴胡の組み合わせに妙があり、ストレスや緊張などによる痙攣などを除去する効果と、枳実により滞った気の流れを強く洗い流す効果があるとされる。処方構成としては、柴胡芍薬枳実甘草の4味で、気滞に起因する熱感のクールダウンおよび「肝」の機能改善(補血・柔肝)[2][1]

適応症

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体力は中等度以上で、胸腹部に重苦しさがあり、ときに不安、不眠などを有する心身症状。ストレスによる心身症状とストレスによる神経性胃炎、胃酸過多、過敏性腸症候群胃潰瘍胆のう炎胆石症気管支炎神経質不眠症てんかん狭心症などに用いる[2][1]

保険適用エキス剤の効能・効果

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胆のう炎胆石症胃炎胃酸過多胃潰瘍気管支炎

組成・処方量

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柴胡(さいこ)5.0、枳実(きじつ)2.0、芍薬(しゃくやく)4.0、甘草(かんぞう)1.5

方解

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体力が割合にあり、水おちから両脇にかけて圧迫感があり、足や手が冷えて、気が重く、腹痛がある場合に用いる。胃炎、腹痛、胆石、神経症、気管支炎などに応用する。大柴胡湯小柴胡湯の中間の状態に用いる。

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  • みぞおちの圧迫感。
  • 四肢が冷たい。
  • 腹痛。
  • 動悸。
  • 抑うつ性の神経症状。
  • 咳嗽。

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季肋部・みぞおちの抵抗圧痛、上腹部腹直筋の顕著な引き攣れ。

その他

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大柴胡湯小柴胡湯の中間にあるような状態に用いる。便秘、嘔吐などの症状がなく、急迫性のみぞおち痛が強いことを目標に用いる。

脚注

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  1. ^ a b c d 大正製薬グループ公式サイト- 四逆散とは”. 2018年5月16日閲覧。
  2. ^ a b 福田漢方薬局公式サイト - 四逆散はこんな人に効きます”. 2018年5月16日閲覧。

関連項目

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