一気通貫
一気通貫(イッキツウカン)とは、麻雀における役のひとつ。同種の数牌で123・456・789と揃えると成立する。門前2翻、食い下がり1翻。一通(イッツー)と略されることが多い。中国麻雀では清龍(チンロン)の名で採用されている。アメリカでは「Straight(ストレート)」と称される。香港式台湾麻雀では「一條龍(イッティアオロン)」と称される。そして、明龍(ミンロン、意味は副露)と暗龍(アンロン、意味は門前清)の名で採用されている。
概要
[編集]萬子なら萬子、筒子なら筒子、索子なら索子で、1つの色の数牌1から9までをすべて1枚ずつ揃えて3つの順子を作った手役である。三色同順と並んで代表的な9枚役とされるが、定義上タンヤオや三色同順・チャンタとは複合しないため、使い勝手がそれほど良くない役であるとも言える。また、嵌張待ちや辺張待ちになりやすく、役部分を両門待ちにすると役が確定しないという欠点もある。
平和との複合が最も多いが、混一色や清一色など染め手と複合することも多い。また、稀にメンゼンで一盃口と複合することもある。
他の多くの2飜役と同じく、メンゼンを崩した場合は食い下がって1飜となる。しかし、他の役と複合しにくいため、副露した場合は安アガリに終わることが多い。なお、役部分を食う場合は、1・2・3、4・5・6、7・8・9の形以外の食いは認められず、例えば2・3・4の形で食ってその後残りの6牌を集めても一気通貫とは認められない。門前の場合でも同様に、手の内で1から9の同色の数牌を1枚以上使っていても、1・2・3、4・5・6、7・8・9の3つの順子と解釈したうえで4面子1雀頭が成立しなければ認められないため、初心者は注意を要する。
また、三色同順と一気通貫の両方が狙えるくっつきテンパイの形を、一般に「黄金の一向聴」と呼ぶ。牌姿や詳細は一向聴#黄金の一向聴を参照。
牌姿の例
[編集](例)一気通貫が確定しているが待ちが狭いケース
(例)待ちは広いが一気通貫が確定しないケース
- の三門張で平和も複合するが、であがらなければ一通にならない。その他では平和のみとなる。
(例)出来あいのケース
- 待ち。手の内で一通が完成しているこのようなケースが最も有利であり、美しいとされる。この場合は平和も複合する。
(例)副露したケース
- 待ち。急所の嵌二萬を鳴いた形だが、他に役がなければ1000点の安手である。ロンあがりの場合、普通に考えると20符1翻であるが、30符1翻として扱うのが一般的である。詳細は麻雀の得点計算#食い平和の例を参照。
- なお、一気通貫に関係のない部分のみの副露(例示の牌姿では索子の部分)では2翻が維持されるという主張があるが、これは誤りである。手の内で一通が完成している場合でも、メンゼンを放棄すれば食い下がりする。
(例)清一色との複合