Cz75
Cz75
Cz75は1970年前後に開発を計画されたチェコスロバキア(通称チェコ)製の自動拳銃。 当初の目的は軍用ではなく民間用として開発されていた。 軍用として拳銃が採用される見込みはまずないので、民間市場に売り出したのだと思われる。 チェコスロバキアでは拳銃の携帯は出来ないものの、所有のみなら可能だった。
このCz75は民間市場に売りつけるがために、素材も最高級品だった。 軍用ではないのでコストパフォーマンスを考える必要がない。 硬いスチールを素材に採用し、強固な素材で薄い材質にすることが出来た。 材質が薄いのでそれに伴い、グリップ上部にくぼみがあり、非常に持ちやすく構えやすい形となっていた。 しかし、スチールがあまりにも硬いので、切断の際に刃がたたないと言う欠点があった。 まさしくこれが「歯が立たない」と言えるのだろう。 生産性第一の軍用拳銃とは大きな違いだ。
完成されたこの拳銃はCz75と命名された。 名前の由来は「セスカ・ゾブロジョブカ」の略称から取った。 完成したら早速輸出を行った。 西側諸国では評判は上々であり、非常に人気の高い拳銃となった。 しかし、人気は高いもののアメリカにだけは輸出はされなかった。 当時アメリカは共産主義を嫌っていたのでCz75の輸入を断っていた。 しかし、アメリカにはどこかから密輸した、無断コピー品ばっかり出回っていた。 そのためだけあって、正規で作られたCz75はマニアの間で高値の値段で取引されていた。 今では前期生産品の値段はとんでもない額になっていて、普通の人ではまず手に入りにくいだろう。
Cz75は特徴のあるフォルムで、曲面加工が多用され非常にきれいなフォルムとなっている。 トリガーも特徴的で薄く、一見引き難いような印象を受ける。 スライド後部の露出部も少なく、スライドが非常に引き難い。 この点から見ると軍用拳銃には向いていない、もはやマニアや一般用の趣味などに使われる拳銃ともいえよう。
Cz75には前期型と後期型があるが、前期型は今まで説明してきたタイプで、後期型は少々材質を落とし、生産性を上げている。 そのためスライド部分がやや肉厚になっている。 前期型より後期型のほうがもちろん安いが、マニアはマニアで後期と前期を選ぶなら前期のほうを選ぶだろう。