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(更新: ORICON NEWS
「推し活ライフへようこそ」”推しアイドル”との衝撃的な出会いから、大人の推し活のススメまで プロにノウハウを聞いた

 今や日本人の3人に1人は<推し>がいる時代。アイドルやアニメ、キャラクターなどを<好き>という気持ちを超えて応援する活動=<推し活>という用語もすっかり浸透した。推し活にまつわる市場規模もますます成長しており、興味を持ち始めた人もいるはずだ。そこで『推し活を20倍楽しむ 〜オルタナ好きの僕がグループアイドル沼に嵌った15年と学んだ秘訣20』の著者・中村辰之介さんに、自身の“推しアイドル”との衝撃的な出会いや、“大人の推し活”のノウハウを自身の経験から語ってもらった。
中村 辰之介

PROFILE 中村 辰之介

1983年、愛媛県宇和島市出身。奈良大学大学院文学部国文学科修士課程修了。現在、出身地で会社勤務。「栄、覚えていてくれ」名義でnote、ブログを中心に活動。クラウドファンディングにて自身の雑誌『かける人』を年1回のペースで発刊。kindle電子書籍による著書に『推し事3.0宣言』、『黄昏の彼女たち〜AIイラスト+人間俳句』、『持続可能な推し事〜推しと金、ファンと金〜』がある。

この記事をざっくりまとめると…

・推しは人生を救ってくれる
・推し活は仕事にも良い相乗効果がある
・推しに対して恥ずかしくないファンでいよう

失意のどん底のなかで推しアイドルとの衝撃的な出会い、ハマるきっかけに

 「CDショップの試聴機で初めて聴いたAKB48の『会いたかった』が、長年にわたるアイドル沼にハマったきっかけでした。それまでの僕は、“なかなか主人公が理解されない世界が歌われることの多い”オルタナ系ロックばかり好んで聴いていただけに、"好き"をストレートに伝えている自己肯定感に溢れたその歌詞に、涙が止まらなくなってしまったんです。

 ちなみにその日は新卒入社式。そしてその前日には、結婚を意識していた彼女に突然別れを告げられるという、失意のどん底にいたことも付記しておきます。単なるファンや好きを超えた『推したい』という感情は、人生を変えるほどの衝撃的な出会いをした時に湧き上がるものなのかもしれません

仕事とのバランスは? 大人の推し活のススメ

 「僕は、推し活が少なからずキャリアアップに繋がったと自負しています。というのも、推しの大切なイベントと仕事がバッティングしてしまった時、職場から『いつも頑張ってるんだから、たまには息抜きしておいで』と、快く送り出してもらうために、<日頃から会社に貢献する>というスタンスで仕事をしていたからです。あるいは、他の推し活をしている同僚にとっての大切な日は<自分がサポート>していたため、職場の人間関係も良好になりました。

 推しがいる人にとって仕事はお金を稼ぐための手段であり、目的はあくまで推し。そうした優先順位はあれど、仕事を頑張れば頑張るほど、職場の人と仲良くなればなるほど、間違いなく<推し活も捗る>という相乗効果がある、という考え方もあるのではないでしょうか」

ライブやイベントで推しに会う時の準備、一番大事なのは“清潔感” オタクの美意識に変化

  • 48グループのナゴヤドームコンサート(写真提供:中村辰之介)

    48グループのナゴヤドームコンサート(写真提供:中村辰之介)

 「NHK『クローズアップ現代』で<握手会における深刻なニオイ問題>について、取り上げられたことがありました。特に男性には推し活に前のめりになるあまり、身だしなみに気を遣わなくなる人が多いようです。この番組をきっかけにアイドルオタク界隈に<清潔感めちゃ大切>という風潮が広まりました。何より<推しに辛い思いをさせてはいけない>という意識から、イベント前に散髪したり、洋服を新調するようになったオタクは多くなったと思います。

 ニオイ問題はデリケートなイシューですし、勇気を持って声を上げたメンバーには尊敬しかありません。またこの議論をきっかけに、デオドラント商品のコラボが実現=推しの活躍が増えたのは、個人的にもとても喜ばしいことでした」

(取材・文/児玉澄子)

著書

  • 著書『推し活を20倍楽しむ オルタナ好きの僕がグループアイドル沼に嵌った15年と学んだ秘訣20』

    著書『推し活を20倍楽しむ オルタナ好きの僕がグループアイドル沼に嵌った15年と学んだ秘訣20』

『推し活を20倍楽しむ オルタナ好きの僕がグループアイドル沼に嵌った15年と学んだ秘訣20』

人生を賭した推し活の物語とガイド! 入社式前日に結婚も考えていた彼女と別れ、うなだれ立ち寄ったCDショップでふと聴いたグループアイドルの曲をきっかけに沼落ちした著者。以降、15年にわたるコアな推し活のリアルな体験・エピソードの「物語」と、そこで得た20の推し活の「秘訣」を語る。同時代・同世代を中心とした推し活体験者には強い共感を呼ぶとともに、これから推し活を始めよう/深めようという読者には、体験に裏打ちされたガイドが役立つ一冊。

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