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現役を引退後、東京2020オリンピック・パラリンピックでは、スポーツディレクターに就任し、大会の運営について深く関わっていました。その時に、中に入って分かったことは、「オリンピックはアスリートのチャンピオンを決めるだけではない」ということだったんです。その裏で、社会をどのように動かすのかということを知りました。ジェンダー、環境問題など。例えば、選手村のベッドをダンボールで制作していたり、表彰台も使い終わったペットボトルで制作されていたりと、いろいろなアクションを行っていました。
東京オリンピック・パラリンピックでの経験を経て、私もオリンピアンとして幸せな人生を送っている。だからこそ『スポーツのチカラ』を借りて、これからは社会に恩返しをしていかないといけないなと考えるようになったんです。
そして、そのために何ができるのか?と思った時に、最初に思い出したのが、選手生活送っていた時に、お世話になっていた大磯ロングビーチの近くの北浜海岸でのビーチクリーン。
通っていたマッサージの先生がビーチクリーンをやっていると言っていたのを思い出して、何十年ぶりかに連絡を取り、『ビーチクリーンやっていますか?』と聞くと、今もやっています!と言われて、そこから月1回ビーチクリーンの活動を行いました。
ゴミ拾いに行くのに、車で行くのはちょっとまずいでしょ(笑)。ということで、貯金をはたいて電気自動車を購入したんです。
活動をスタートしてみたら、『小谷さんがやるなら地元民もやらなきゃね』ということで、多くの方が参加してくれるようになりました。地元の東海大学の学生さんたちが来てくれたり、仲間のオリンピアンたちも家族で来てくれるようになったんです。オリンピアンが動くことで、回りの人たちもインフルエンスすることができると感じました。
そしたら、まぁビックリ!ビーチクリーンのゴミとは全然違うゴミがたくさんあって…これって普通に持ち帰って捨てるものじゃないの?みたいなものまで路上に捨ててあって。そんな驚きもありながら、何度かゴミ拾いに参加させていただき、今回渋谷グッドマナープロジェクトアンバサダー(※渋谷区を安心安全な街にするため、迷惑路上飲酒・路上喫煙・ゴミのポイ捨てなどの社会課題を共創型で解決する活動)にも就任させていただくことになりました。
特に時間をかけているのが『排水溝』の掃除。水がきちんと流れないのが嫌なんです(笑)。読者の方も興味があれば、渋谷グッドマナープロジェクト(https://shibuya-good-manner.com/(外部サイト))にお問い合わせしてみてください!
1966年8月30日生まれ、東京都出身。ソウルオリンピックでは初の女性旗手を務め、ソロ・デュエットで銅メダルを獲得。1992年に現役引退。東京2020招致アンバサダーを務めるなど国際的に活動。東京2020オリンピック・パラリンピックでは、スポーツディレクターに就任するなど幅広く活躍。日本オリンピック委員会 常務理事(JOC)、世界オリンピアンズ協会 副会長(WOA)など、16の役職をこなしながら、2025年7月に開催される世界マスターズ水泳選手権(シンガポール大会)で、4つの金メダル獲得を目指している。