「雪渡り」(ゆきわたり)は、宮沢賢治の創作童話。狐の幻燈会に招待された子供たちと子狐たちの交流を描いた物語。1921年(大正10年)の12月と翌年の1月に『愛国婦人』誌(賢治の母が会員であった愛国婦人会が発行していた)に掲載された賢治のデビュー作である。賢治は本作で5円の原稿料を得たが、これは生涯に賢治が手にした唯一の原稿料であったと伝えられている。 なお、賢治は掲載された雑誌から切り抜いた本作に推敲の手を加えており、現行の「【新】校本宮澤賢治全集」(筑摩書房)では雑誌掲載版と、手入れを施された後の二種類の本文が掲載されている。一般に流布しているのは手入れが施された後の本文である。