地車(だんじり・だんぢり)は、神社の祭礼で用いられる屋台・「山車」の一種。主に関西地方で多く見られる。大小2つに分かれた独特の破風屋根を持つ曳き山で、多くの彫刻が組み込まれ、刺繍幕や金の綱、提灯やぼんぼり、旗・幟などの装飾が施されている。主に欅(ケヤキ)を用いて造られており、コマには松が用いられる。 大阪府下()においてはだんじり(地車)といえば大屋根・小屋根(前屋根・後屋根、男屋根・女屋根と呼ぶ地域もある)からなる二段の屋根を設えた上・下地車を意味するが、大阪から離れた滋賀県や三重県、岡山県などでは、一般的には山車と呼ばれる段差のない一つ屋根で、彫刻より飾り幕による装飾を主体とした曳き屋台もだんじりと呼ばれる場合がある。なお地車を「だんじり」と読むのはあくまで俗な呼び名・当て字であり、地車の本来の読みは「じぐるま(ぢぐるま)」である。慣例的に書き言葉としては地車を用いることが多いが、地車には切妻屋根の簡素な曳き屋台や、古語では単なる四輪の運搬台車も含み、より広義的な意味を持つ。