一定 (いってい)
- ひとつに決まっており、変わることのないこと。
- 一つに決めたこと。
- どの文章もそれだけで独立な統一を有っているのではあるが、書物全体が実は、初めから一定のテーマを追跡することによって、それからそれへと次々に展開された諸問題の一系列を形づくっている。(戸坂潤『イデオロギーの論理学』)
- 何らかのもの。特定のもの。
- 従来の新聞小説を見ると、一定の型があると思ふ、この型は数々の経験者が、意識的に、或は無意識的に、創りあげた型である、この型の跡を踏むことは新聞小説を執筆する上で、読者受けもよし、新聞社の側にも満足のゆく型である、もしくはそれに近い。(岸田國士『懸賞小説に寄せて』)
- ある水準。かなりの程度。
- 日本映画を一定のところまで押しすすめた諸事業そのものが、それから先の二歩三歩、真の大作品としての日本映画を誕生させるためには、見える又見えざる各種の障害を潜めているのではなかろうか。(宮本百合子『観る人・観せられる人―観客の問題―』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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否定 |
一定しない |
未然形 + ない
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否定(古風) |
一定せず |
未然形 + ず
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自発・受身 可能・尊敬 |
一定される |
未然形 + れる
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丁寧 |
一定します |
連用形 + ます
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過去・完了・状態 |
一定した |
連用形 + た
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言い切り |
一定する |
終止形のみ
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名詞化 |
一定すること |
連体形 + こと
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仮定条件 |
一定すれば |
仮定形 + ば
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命令 |
一定しろ 一定せよ |
命令形のみ
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一定 (いちぢやう)
- 定まっていること。確定。
一定 (いちぢやう)
- きっと。必ず。
- 「この若者、一定仕り候ひぬと覚え候ふ」と申しければ、判官も頼もしげにぞ見たまひける。(平家物語)
- 「この若者(那須与一)は、きっとやり遂げるように思えます」と申し上げると、判官(義経)も頼もしそうにご覧になった。
- ピンイン: yīdìng
- 注音符号: ㄧ ㄉㄧㄥˋ
- 広東語: yat1ding6
- 閩南語: it-tēng
- 客家語: yit-thin
一 定
- 一定の。
- 決まった。
一 定
- きっと。
- 絶対に。