辻村公一
日本の哲学者
辻村 公一(つじむら こういち、1922年〈大正11年〉2月18日 - 2010年〈平成22年〉5月28日)は、日本の哲学者。京都大学名誉教授。
日本学士院より公開された肖像 | |
人物情報 | |
---|---|
生誕 |
1922年2月18日 日本静岡県浜松市 |
死没 | 2010年5月28日 (88歳没) |
出身校 | 京都大学 |
学問 | |
研究分野 | 哲学 |
研究機関 | 京都大学 |
経歴
編集1922年、静岡県浜松市生まれ。京都帝国大学文学部で田辺元に学び、1946年卒業[1]。 卒業後は1948年より京都大学教養部助教授、1967年より同校文学部哲学科助教授となる。1974年に「ハイデッガー論攷」を提出して文学博士号を取得。そして1974年より教授を務め、1982年に定年退官と同時に名誉教授となる。
研究内容・業績
編集ハイデッガーを翻訳・研究した。なおその特徴として、それまで「存在と時間」として訳されていた「Sein und Zeit」に対し、「有と時」としたことが挙げられる。日本で数種類翻訳刊行されてきた同書において、この表題を使用しているのは辻村公一訳のみである。(「有」の使用については、翻訳書ではないが、辻村よりも以前に和辻哲郎が著書『倫理学』において、ハイデッガーを引用する際に「有」「現有」「世界内有」と訳している。)
受賞・栄典
編集著書
編集- 『ハイデッガー論攷』創文社、1971年。ASIN B000J9CJFG
- 『ハイデッガーの思索』創文社、1991年9月。ISBN 978-4423170755
- 『ドイツ観念論断想 1』創文社、1993年12月。ISBN 978-4423170816
編纂
編集- 『一即一切 日独哲学コロクィウム論文集』創文社、1986年5月。ISBN 978-4423100769
- 『ハイデッガーと現代―ハイデッガー生誕100周年記念論文集』創文社、1990年1月。ISBN 978-4423170687
翻訳
編集- 『ハイデッガー選集 第8 野の道・ヘーベル一家の友』高坂正顕共訳、理想社、1960年。ASIN B000JBCH1U
- 『根拠律 ハイデッガー』ハルトムート・ブフナー共訳、創文社、1962年。ASIN B000JAK6X2
- 『世界の大思想 28 ハイデッガー --- 有と時』訳、解題、河出書房新社、1967年(1974年に小型版)。ASIN B000JBC0GM
- 『思索の事柄へ ハイデッガー』ハルトムート・ブフナー共訳、筑摩書房、1973年。ASIN B000J9BV6O
- 『ハイデッガー全集 第9巻 道標』ハルトムート・ブフナー共訳、創文社、1985年5月。
- 『ハイデッガー全集 第2巻 有と時』ハルトムート・ブフナー共訳、創文社、1997年12月。ISBN 978-4423196267
論文
編集- 辻村公一「ハイデッガーと歴史の問題」『哲学研究』第37巻第12号、京都哲学会、1955年7月、ISSN 03869563、NAID 40002494315。
- 辻村公一「ハイデッガーと歴史の問題-承前-」『哲学研究』第38巻第3号、京都哲学会、1955年10月、ISSN 03869563、NAID 40002494324。
- 辻村公一「ドイツ思想と禅」『理想』第311号、理想社、1959年4月、ISSN 03873250、NAID 40003722219。
- 辻村公一「ハイデッガ-の「思ひ」について--旧友 ハルトム-ト・ブフナ-君に贈る」『京都大學文學部研究紀要』第20号、京都大學文學部、1981年3月、1-90頁、ISSN 04529774、NAID 110000056905。
- 辻村公一「静けさの響--ハイデッガ-と言葉の問題」『龍谷大学論集』434, 435、龍谷大学、1989年11月、359-416頁、ISSN 02876000、NAID 110009491328。
- 辻村公一「禅に於ける「魔境」 : 先師抱石菴久松眞一博士を回想して」『日本學士院紀要』第62巻第2号、日本学士院、2007年、141-171頁、doi:10.2183/tja.62.2_141、ISSN 0388-0036、NAID 110006551911。
脚注
編集- ^ 京都大学広報委員会「京大広報 No.459」『京大広報』第459巻、京都大学広報委員会、1994年1月。