福岡駅
福岡駅(ふくおかえき)は、富山県高岡市福岡町下蓑にある、あいの風とやま鉄道あいの風とやま鉄道線の駅である。
福岡駅 | |
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駅舎(2024年4月) | |
ふくおか Fukuoka | |
◄石動 (7.3 km) (3.5 km) 西高岡► | |
所在地 | 富山県高岡市福岡町下蓑321 |
所属事業者 | あいの風とやま鉄道 |
所属路線 | ■あいの風とやま鉄道線 |
キロ程 |
14.0 km(倶利伽羅起点) 金沢から31.8 km 米原から208.4 km |
電報略号 | フオ←フヲ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面3線 |
乗車人員 -統計年度- |
830人/日(降車客含まず) -2020年- |
開業年月日 | 1898年(明治31年)11月1日 |
備考 | 業務委託駅 |
概要
編集「福岡」の駅名は当駅開業当時の所在地である西礪波郡福岡町に由来しており、九州の福岡県福岡市とは何ら関係がない。福岡市にある駅と勘違いされることがあり、実際に外国人留学生が福岡市の駅と勘違いしてやって来た例もある[3]。
当駅が西日本旅客鉄道(JR西日本)からあいの風とやま鉄道に移管されてからはJRグループに「福岡駅」と名乗る駅はなくなった[4]。
歴史
編集- 1898年(明治31年)11月1日:官設鉄道北陸線の金沢駅 - 高岡駅間延伸により一般駅として西礪波郡福岡町下蓑に開業する[5][6][7]。
- 1908年(明治41年)7月:跨線橋を設置する[8]。
- 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定、北陸本線所属駅となる[9]。
- 1919年(大正8年):電燈を設置する[10]。
- 1928年(昭和3年):電話を設置する[10]。
- 1939年(昭和14年)11月1日:構内に福岡電信取扱所を設置する[11]。ただし電報配達事務は取扱わない[11]。
- 1956年(昭和31年)
- 1957年(昭和32年)4月25日:当駅 - 高岡駅間の西高岡信号場が西高岡駅として開業する[13]。
- 1960年(昭和35年)9月30日:当駅 - 石動駅間が複線化する[14]。
- 1962年(昭和37年)8月10日:当駅 - 西高岡駅間が複線化する[14]。
- 1964年(昭和39年)8月24日:金沢駅 - 富山操車場(現在の富山貨物駅)間が交流電化する[14]。
- 1969年(昭和44年)10月1日:営業範囲を改正し、手荷物及び小荷物の配達取扱を廃する[15]。
- 1974年(昭和49年)10月1日:営業範囲を改正し、旅客、荷物及び車扱貨物を取扱う駅となる[16]。
- 1980年(昭和55年)9月25日:営業範囲を改正し、貨物取扱を専用線発着車扱貨物に限定する[17]。
- 1984年(昭和59年)2月1日:営業範囲を改正し、専用線発着車扱貨物の取扱を廃する[18]。
- 1985年(昭和60年)3月14日:営業範囲を改正し、荷物の取扱を廃する[19]。
- 1987年(昭和62年)
- 1992年(平成4年)11月:みどりの窓口の営業を開始する[21]。
- 2000年(平成12年)4月13日:観光物産館等の施設を併設した三角屋根の新駅舎が完成する[22]。総工費4億5千万円、鉄骨2階建てにして延床面積は680平米[22]。
- 2006年(平成18年)4月1日:日本貨物鉄道の駅を廃止する[23]。
- 2015年(平成27年)
駅構造
編集単式ホーム1面1線、島式ホーム1面2線を有する地上駅[1]である。駅舎は西側(単式の1番ホーム側)にあり、三角屋根の木造の山小屋風で、観光案内所・物産館・図書館分室などの市の施設を併設している[22][1]。1番線から島式ホームにある2番線及び3番線とは跨線橋で連絡している[25]。
JR北陸本線時代末期は富山地域鉄道部管轄でJR西日本金沢メンテックが駅務を受託する業務委託駅であり、みどりの窓口も開設されていた[1]。あいの風とやま鉄道への経営移管後も業務委託駅の形態が維持されているが、みどりの窓口は経営移管に合わせて廃止された[26]。
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改札及び出札口
-
待合室
-
跨線橋
のりば
編集番線 | 路線 | 方向 | 行先[27] | 備考 |
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1 | ■あいの風とやま鉄道線 | 下り | 高岡・富山方面 | |
2 | 一部の列車 | |||
上り | 金沢方面 | |||
3 |
- 2016年(平成28年)10月29日現在、2番のりばには一日上下1本ずつ旅客列車が設定されている[28]。
到着メロディ
編集2017年(平成29年)3月の新旅客案内システム導入に伴い、西高岡駅と共通で、高岡市民の歌「ふるさと高岡」のおりんによるアレンジが到着メロディとして使用開始された[29][30]。
貨物取扱
編集当駅は1984年(昭和59年)2月1日に専用線発着車扱貨物の取扱を廃し一旦は旅客駅となったが[18]、その後国鉄末期の1987年(昭和62年)3月31日より臨時に車扱貨物の取扱を開始し[20]、同年4月1日発足の日本貨物鉄道においてもこれが継承されていた[5]。その後、2006年(平成18年)4月1日に日本貨物鉄道が営業実態のない駅を廃止した際に当駅における貨物取扱は廃止された[23]。
1953年(昭和28年)10月10日付『鉄道公報』第1254号通報専用線一覧別表掲載中、当駅接続の専用線は次の通りであった[31]。
- 鉄道機器線(第三者使用:日本通運、動力:国鉄機関車及び手押、作業粁程:0.1粁)
- 日大鋼業線(動力:手押、作業粁程:0.1粁)
1970年(昭和45年)10月1日現在における当駅接続の専用線は以下の通りであった[32]。
- 鉄道機器線(通運事業者:日本通運、動力:国鉄動車及び手押、作業粁程:0.1粁、総延長粁程:0.1粁)
- 富山製錬所線(通運事業者:日本通運、動力:国鉄動車及び手押、作業粁程:0.3粁、総延長粁程:0.5粁)
1983年(昭和58年)4月1日現在における当駅接続の専用線は以下の通りであった[33]。
- 鉄道機器線(通運事業者等:日本通運、動力:国鉄動車及び手押、作業粁程:0.1粁、総延長粁程:0.1粁、備考:国鉄側線)
- いすみ化成線(通運事業者等:日本通運、動車:国鉄動車及び手押、作業粁程:0.3粁、総延長粁程:0.5粁)
利用状況
編集2020年(令和2年)度の1日平均乗車人員は830人である[34]。
『富山県統計年鑑』及び『高岡市統計書』、あいの風とやま鉄道発表資料によると、近年の1日平均乗車人員は以下の通りである[35][36]。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
1995年 | 1,530 |
1996年 | 1,505 |
1997年 | 1,434 |
1998年 | 1,434 |
1999年 | 1,404 |
2000年 | 1,364 |
2001年 | 1,309 |
2002年 | 1,258 |
2003年 | 1,235 |
2004年 | 1,220 |
2005年 | 1,207 |
2006年 | 1,204 |
2007年 | 1,177 |
2008年 | 1,173 |
2009年 | 1,089 |
2010年 | 1,088 |
2011年 | 1,089 |
2012年 | 1,074 |
2013年 | 1,105 |
2014年 | 927[備考 1] |
2015年 | 1,041 |
2016年 | 1,022 |
2017年 | 1,012 |
2018年 | 1,004 |
2019年 | 991 |
2020年 | 830 |
- 備考
- ^ 2015年3月13日までの347日間における1日平均乗車人員は927人、3月14日から3月31日までの18日間における1日平均乗車人員は1,218人。
駅周辺
編集駅西方の町並みの中を流れる岸渡川の堤には約3,000本の桜並木があり、花見の名所の一つとなっている。
- 鉄道機器富山工場 - 鉄道用分岐器類の製造
- いずみ化成
- ミュゼふくおかカメラ館 - クラシックカメラ・写真を展示する博物館。駅から徒歩5分
- 富山県立福岡高等学校
隣の駅
編集脚注
編集- ^ a b c d 郡司武編、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地』43号、2013年(平成25年)6月、朝日新聞出版[要ページ番号]
- ^ 立野幸雄『とやま駅物語』富山新聞社、2017年7月20日、61頁。ISBN 978-4-8330-2104-3。
- ^ “博多のはずが高岡に 「福岡」違いで思わぬ交流 台湾人留学生から駅員に礼状”. 富山新聞. (2007年1月12日). オリジナルの2007年1月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ ただし、旧国名・方角を冠した駅であれば飯田線の伊那福岡駅や、鹿児島本線の南福岡駅が存在する。
- ^ a b c d e 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』 II(初版)、JTB、1998年10月1日、138頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 明治31年逓信省告示第288号(『官報』、1898年(明治31年)10月27日、印刷局)
- ^ 鉄道省編、『昭和十二年十月一日現在 鉄道停車場一覧』、1937年(昭和12年)12月、川口印刷所出版部
- ^ 福岡町史編纂委員会編、『福岡町史』(946頁)、1969年(昭和44年)8月、福岡町役場
- ^ 明治42年鉄道院告示第54号(『官報』、1909年(明治42年)10月12日、内閣印刷局)
- ^ a b 福岡町史編纂委員会編、『福岡町史』(717頁)、1969年(昭和44年)8月、福岡町役場
- ^ a b 昭和14年逓信省告示第3105号(『官報』、1939年(昭和14年)10月26日)
- ^ 「福岡駅の陸橋なる あす盛大に落成式」、『北日本新聞』(8面)、1956年(昭和31年)9月26日、北日本新聞社
- ^ 昭和32年日本国有鉄道公示第145号(『官報』、1957年(昭和32年)4月19日、大蔵省印刷局)
- ^ a b c 日本国有鉄道編、『日本国有鉄道百年史年表』、1972年(昭和47年)10月、日本国有鉄道[要ページ番号]
- ^ 昭和44年日本国有鉄道公示第309号(『官報』、1969年(昭和44年)10月1日、大蔵省印刷局)
- ^ 昭和49年日本国有鉄道公示第208号(『官報』、1974年(昭和49年)9月12日、大蔵省印刷局)
- ^ 昭和55年日本国有鉄道公示第108号(『官報』、1980年(昭和55年)9月20日、大蔵省印刷局)
- ^ a b 昭和59年日本国有鉄道公示第174号(『官報』、1984年(昭和59年)1月30日、大蔵省印刷局)
- ^ 昭和60年日本国有鉄道公示第181号(『官報』、1985年(昭和60年)3月12日、大蔵省印刷局)
- ^ a b 昭和62年日本国有鉄道公示第210号(『官報』、1987年(昭和62年)2月5日、大蔵省印刷局)
- ^ JR時刻表1992年(平成4年)11月号・12月号[要ページ番号]
- ^ a b c 「JR駅と一体化の観光物産館が完成 福岡町」『朝日新聞』朝日新聞社、2000年4月14日、東京地方版/富山、27面。
- ^ a b 『貨物駅の廃止及び呼称の統一について』(PDF)(プレスリリース)日本貨物鉄道、2006年3月16日。オリジナルの2021年3月17日時点におけるアーカイブ 。2021年3月17日閲覧。
- ^ 『ICカードサービス開始日について』(プレスリリース)あいの風とやま鉄道株式会社、2015年1月30日 。2015年7月10日閲覧。
- ^ 福岡 各駅情報 - あいの風とやま鉄道
- ^ あいの風とやま鉄道 利用の手引き - あいの風とやま鉄道(2015年3月16日閲覧)
- ^ 福岡駅発車時刻表 - あいの風とやま鉄道(2015年4月14日閲覧)
- ^ あいの風とやま鉄道福岡駅発車時刻表 - あいの風とやま鉄道
- ^ あいの風とやま鉄道 (2016年12月14日). “新指令システム稼動に伴う利便性の向上について”. 富山県. 2016年12月30日閲覧。
- ^ あいの風とやま鉄道 (2016年12月14日). “各駅の到着メロディの制作状況等について”. 富山県. 2016年12月30日閲覧。
- ^ 名取紀之・瀧澤隆久編、『RM POCKET 11 トワイライトゾ~ン・マニュアルⅣ』、1995年(平成7年)10月、ネコ・パブリッシング[要ページ番号]
- ^ 日本国有鉄道貨物局編、『専用線一覧表 昭和45年10月1日』、1970年(昭和45年)、日本国有鉄道貨物局
- ^ 名取紀之編、『トワイライトゾ~ン・マニュアル6』(『Rail Magazine』別巻)第14巻第17号(313頁)、1997年(平成9年)10月、ネコ・パブリッシング
- ^ “あいの風とやま鉄道(株) 1日当たり駅別乗車人員と輸送人員(2020年4月〜2021年3月)” (PDF). あいの風とやま鉄道. 2021年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月17日閲覧。
- ^ 統計年鑑 - 富山県
- ^ 『2018年度 あいの風とやま鉄道 利用状況等』(PDF)(プレスリリース)あいの風とやま鉄道、2019年6月14日 。2019年6月27日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 福岡駅 - あいの風とやま鉄道