礼文空港
礼文空港(れぶんくうこう、英: Rebun Airport)は、北海道礼文郡礼文町(礼文島)船泊村幌泊にある地方管理空港(旧・第三種空港)。日本最北端の空港であり、かつ休港中の空港である(ヘリコプターによる急患搬送[2]などを除く)。
礼文空港 Rebun Airport | |||||||||
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IATA: RBJ - ICAO: RJCR | |||||||||
概要 | |||||||||
国・地域 | 日本 | ||||||||
所在地 | 北海道礼文郡礼文町 | ||||||||
種類 | 商業 | ||||||||
運営者 | 北海道 | ||||||||
運用時間 | 休止中[1] | ||||||||
標高 | 27.3 m (89.6 ft) | ||||||||
座標 | 北緯45度27分18秒 東経141度02分21秒 / 北緯45.45500度 東経141.03917度座標: 北緯45度27分18秒 東経141度02分21秒 / 北緯45.45500度 東経141.03917度 | ||||||||
地図 | |||||||||
礼文空港の位置 | |||||||||
滑走路 | |||||||||
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空港の一覧 |
空港の建物は塗装の剥がれなど劣化がみられるものの、礼文町は航空路線の再開を希望しており、北海道庁が年間400万円を支出して維持管理している。冬季は駐機場の除雪も行われている[2]。空港内に気象庁航空地方気象台による、航空気象観測所が設置されている。
概要
編集設置管理は北海道知事が行っている。
礼文空港は礼文島の北東にあり、市街地から23km(車で約30分)に位置する離島空港である。開港前の礼文島は、天候悪化でフェリーが運休すると本土から孤立してしまうという有様だった。そのため、住民は空港を熱望していたとされる[3]。
かつてはエアー北海道が、自治体の支援を受けながら礼文空港~稚内空港線を19人乗りコミューター機のDHC-6で運航していたが、空港が礼文島の中心である礼文島南部の香深地区から最も遠い、島の北端に立地することもあり、廃止までの約25年間で約30万人の利用に留まり[4]、平均搭乗率が約20%と低迷したため[5]、2003年(平成15年)3月31日の運航をもって廃止された[4]。
その後は定期便はなく、緊急輸送等のみが行われる状況であった。2008年度の空港利用は、プライベート機や自衛隊による急患輸送を含めわずかに24回程度であった。
北海道の財政が逼迫していることもあって、今後の在り方について廃港も含めて検討され、2009年4月9日0:00(JST)から2015年3月31日0:00(JST)まで供用休止[6][7]し、同じく2015年3月31日まで礼文空港滑走路14/32の進入角指示灯及び滑走路末端識灯の供用も休止された。
2014年(平成26年)12月15日、国土交通省が休止期間を2021年3月31日までの6年間延長したことが報じられている[8]。北海道庁は2021年2月3日、北海道議会新幹線・総合交通体系特別委員会で、休止を2026年3月末まで5年延長することを報告した[2]。
滑走路は14/32方向に800mであり、平行誘導路は無く、ターニングパッドも備えていない。着陸帯の幅は60mと狭く、計器着陸には対応できない。礼文町は、発着距離が短い機体であれば航空路線再開は可能との見解を示している[2]。
空港ターミナルビルは滑走路南側に1棟。ボーディングブリッジは設置されていない。空港ターミナルビルに隣接するエプロンにはプロペラ機用2バースを有する。
沿革
編集- 1978年(昭和53年)6月1日 - 開港。日本近距離航空により礼文空港~稚内空港線1往復の季節運航開始。使用機材はDHC-6[3]。
- 1984年(昭和59年)3月 - 礼文~稚内線1往復の通年運航開始。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 礼文~稚内線の運航会社が「日本近距離航空」から「エアーニッポン(ANK)」へ社名変更。
- 1993年(平成5年)3月4日 - 進入角指示灯の供用開始。
- 1994年(平成6年)7月22日 - 礼文~稚内線の運航会社が「エアーニッポン」から「エアー北海道(ADK)」へ移管。
- 2003年(平成15年)4月1日 - 唯一の定期便だった礼文~稚内線1往復の廃止[4]。
- 2009年(平成21年)4月9日 - 供用休止(2009年(平成21年)4月9日から2015年(平成27年)3月31日までの間)に伴い無人化される。ただし急病患者の緊急搬送は引き続き行う[8]。
- 2015年(平成27年)4月1日 - 休止延長(2015年(平成27年)4月1日から2021年(令和3年)3月31日まで)[9]。
- 2021年(令和 3年)4月1日 - 休止延長(2021年(令和 3年)4月1日から2026年(令和8年)3月31日まで)[10]。
アクセス
編集バス
編集- 宗谷バスの香深~船泊線に「空港下」停留所があるが、そこから空港まで徒歩約10分かかる[11]。
タクシー
編集- 礼文町船泊支所より約5分。
- 礼文町役場・香深港フェリーターミナルより約30分。
利用状況
編集国土交通省調べ『空港管理状況調書』による、乗降客数の数値は以下の通り。
年度 | 乗降客数(人) |
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2000年度 | 3,590 |
2001年度 | 3,418 |
2002年度 | 3,232 |
2003年度以降 | 就航なし |
脚注
編集- ^ 休止前は10:00 - 15:00(JST)
- ^ a b c d 「礼文空港の休止 さらに5年延長」『朝日新聞』朝刊2021年2月4日(北海道面)
- ^ a b 「離島・礼文、喜び一色 稚内から定期便1番」『北海道新聞』1978年6月2日
- ^ a b c 「礼文、利尻線に幕 エアー北海道 30万人が利用」『北海道新聞』2003年4月1日
- ^ 稚内-礼文、利尻空路廃止へ 「20%台では…」礼文落胆 空港維持 万全を 新千歳線通年化喜ぶ 利尻『北海道新聞』2003年1月30日
- ^ “礼文空港の供用休止を許可=利用者低迷で4月から-国交省”. 時事ドットコム (2009年2月17日). 2009年2月20日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “報道発表資料:礼文空港の供用休止の許可について”. 国土交通省 (2009年2月17日). 2009年2月20日閲覧。
- ^ a b 「礼文空港休止、21年まで延長」『北海道新聞』朝刊 2014年12月20日4面(総合面)。(どうしん電子版による当該記事(要会員登録)。
- ^ 2015年(平成27年)2月5日付『官報』公示
- ^ 2021年(令和 3年)2月25日付国土交通省告示第108号
- ^ “バス運行時刻表” (PDF). 宗谷バス(礼文営業所). 2014年12月23日閲覧。