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異界

人間が周囲の世界を分類する際、自分たちが属する世界の外側、異世界

異界(いかい)とは、人間が周囲の世界を分類する際、自分たちが属する(と認識する)世界の外側[1]。異世界。

概要

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異界を認識する主体は個人より集団を想定することが多い。民俗社会において、霊魂が行く他界来世)を含め、自分たちの社会の外側に広がる世界を意味する。他界が時空による認識であるのに対し、異界はむしろ空間で捉えられる。例えば、妖怪が住む世界は異界であり、死後の存在である幽霊とは区別される。現代社会では、特定の社会から見た異質な社会の空間を異界と呼ぶことがある(この場合は民俗語彙ではなく分析概念であり、現代の流行語にもなっている)境界ともいう[1]

異界という語は、人間が分類体系を作り上げる際の構造論と関連している。我々の自己中心的世界観で内部と外部を二項対立的に認識する場合、後者が異界である。よって様々な程度で、境界を挟んで異界が存在する。例えば自分の家に対する家の外、自分のムラに対する外側は異界である。つまり、異界は入れ子構造で多数存在する[1]

異界の住人

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内部社会とは異なる外見風俗習慣を持つ人間は、異界の住人、異人と呼ばれる。異人は外国人のみならず、芸能民・山人など外側から訪れる人も含まれ、時には妖怪視され差別された。異界の観念は「境界」の観念と深く関わっている。などの境界の場所は、異界への回路であり両義的な空間である[1]

霊界

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死後の世界(すなわち本来の意味での異界)や、霊魂の世界などが霊界である[2]

脚注

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  1. ^ a b c d 福田アジオ新谷尚紀渡辺欣雄神田より子湯川洋司中込睦子『日本民俗大辞典〈上〉あ~そ』吉川弘文館、1999年、68-69頁。ISBN 9784642013321 
  2. ^ 澤田瑞穂「アジアの宗教文化3 地獄変 中国の冥界説」法蔵館1968年3月20日。

関連項目

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