明知鉄道
岐阜県恵那市に本社を置く鉄道会社
明知鉄道株式会社(あけちてつどう、英: Akechi railroad company )は、岐阜県恵那市に本社を置く鉄道会社である。
本社のある明智駅 | |
種類 | 株式会社 |
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略称 | 明鉄(あけてつ) |
本社所在地 |
日本 〒509-7705 岐阜県恵那市明智町469番地の4 北緯35度18分18.2秒 東経137度23分12.9秒 / 北緯35.305056度 東経137.386917度座標: 北緯35度18分18.2秒 東経137度23分12.9秒 / 北緯35.305056度 東経137.386917度 |
設立 | 1985年(昭和60年)5月21日[1] |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 6200001024022 |
事業内容 | 旅客鉄道事業 他 |
代表者 | 代表取締役社長 小坂喬峰 |
資本金 |
2億円 (2018年3月31日現在[2]) |
売上高 |
1億8604万円 (2018年3月期[2]) |
営業利益 |
△7691万円 (2018年3月期[2]) |
純利益 |
△760万5000円 (2018年3月期[2]) |
純資産 |
1億7428万5000円 (2018年3月31日現在[2]) |
総資産 |
4億1820万9000円 (2018年3月31日現在[2]) |
従業員数 | 23人(常勤・2017年4月1日時点) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 |
岐阜県 32.50% 恵那市 28.25% 中津川市 4.75% バロー 3.50% セントラル建設 3.50% 平和コーポレーション 3.50% (2018年3月31日現在[3]) |
外部リンク | https://www.aketetsu.co.jp/ |
沿線自治体などが出資する第三セクター鉄道会社として、旧日本国有鉄道特定地方交通線を引き継いだ鉄道路線である明知線を運営している[4]。地元では明鉄(あけてつ)と略されている。
歴史
編集- 1985年(昭和60年)
- 1987年(昭和62年)8月1日 - イベント列車(寒天列車)運転開始[4]。以後さまざまなイベント列車を運行[4]。
- 1989年(平成元年)4月 - アケチ6形を1両導入。
- 1991年(平成3年)10月28日 - 東野 - 阿木間に飯沼駅開業[6]。
- 1994年(平成6年)12月15日 - 山岡 - 明智間に野志駅開業[6]。
- 1997年(平成9年) - アケチ10形を1両導入。
- 1998年(平成10年)- アケチ10形を2両増備。
- 1999年(平成11年)- アケチ10形を2両増備。
- 1999年(平成11年)10月 - 明智駅が「中部の駅百選」に認定。
- 2001年(平成13年)10月 - 岩村駅が「中部の駅百選」に認定。
- 2004年(平成16年)3月25日 - 腕木式信号機とタブレット・スタフ閉塞方式を廃止[4]。特殊自動閉塞方式へ移行[4]。
- 2008年(平成20年)12月25日 - 飯羽間 - 岩村間に極楽駅開業[7][8]。
- 2011年(平成23年)3月12日 - 花白駅を花白温泉駅に改称。急行「大正ロマン号」運転開始[9][10]。
- 2012年(平成24年)3月3日 - 日中の一部列車に命名権を導入。
- 2013年(平成25年)6月1日 - つり革広告を一般個人にも開放[11]。
- 2014年(平成26年)7月 - 恵那市の指定管理者となり山岡駅駅舎内の「山岡駅かんてんかん」の運営を開始[12][13]
- 2017年(平成29年)
- 2019年(平成31年)3月16日 - 日本郵便の郵便物等の客貨混載輸送を開始[16][17]。
- 2023年(令和5年)4月 - 恵那市自主運行バス の2路線を受託運行開始[18]。
鉄道事業
編集路線
編集なお終点の明知駅は明知鉄道として開業時に町名に合わせて明智駅と改称[4]。このため会社名・線名と終着駅名が異なった表記となっている。
車両
編集2004年4月現在、気動車2形式6両を保有する。なお、開業時に用意された車両は1999年までにすべて廃車されている。
現有車両
編集- アケチ10形 (10 , 11 , 13 , 14) - 4両
- →詳細は「明知鉄道アケチ10形気動車」を参照
- 1998年1月に登場したアケチ1形の代替新造車で[19]、従来車がバス車体を基本としたLE-CarIIシリーズであったのに対し、鉄道車両設計のLE-DCシリーズとなっている。車体長15.5mの普通鋼製[19]で、295ps(2100rpm)のディーゼル機関(日産ディーゼル(当時、現「UDトラックス」)PF6HT03)を1基搭載している[20]。急勾配に対応して動力台車は2軸駆動式[20]、砂撒き装置を台車に装備している。富士重工業で、1997年12月に1両 (10)、1998年10月に2両 (11,12)、1999年10月に2両 (13,14) が新製された。車内は、11,12,13号車がセミクロスシート、10,14号車がロングシートでイベント列車での使用に対応するほか、急行「大正ロマン号」では「食堂車」として使用される[20]。
- この車両は、地方私鉄向けの標準設計化車両の第1号で、以降、同様の車体を持つ車両が各地の地方私鉄に登場している[20]。
- その後、13号車は2012年にロングシート化され車内の化粧板も木目調に、また11号車についても2017年春にロングシート化された。
- 2018年3月にアケチ102号導入に伴い、ロングシート化されていなかったアケチ12号が廃車になり明智駅構内にてアケチ6号と共に留置されている。
- アケチ100形 (101 , 102) - 2両
- →詳細は「明知鉄道アケチ100形気動車」を参照
- アケチ13,14以来17年ぶりの新製車として、アケチ6形の置き換えを目的に岐阜県鉄道老朽化施設整備計画により2016年度に導入され、2017年4月8日より運行を開始した[21][15]。新潟トランシスにて製造[15]されたNDCタイプの標準型車両である。
過去の車両
編集- アケチ1形 (1 - 5)
- →詳細は「明知鉄道アケチ1形気動車」を参照
- 1985年の開業時に用意された軽快気動車で、バスの設計を取り入れた富士重工業のLE-Carシリーズ(レールバス)である[20]。急勾配区間に対応するため、動力台車は2軸駆動式としたが、反面、軽量化のため冷房装置の搭載は見送られた[20]。全長は15.5mで、前面は貫通型である。車内はセミクロスシート[20]。アケチ10形の導入により、3が1997年12月、2が1998年11月、1が1998年12月、4,5が1999年10月に廃車となり、形式消滅した。
- 廃車後は阿木駅・山岡駅に1両ずつ、明智駅に3両留置され、倉庫として活用されていたが、明智駅の留置車両は2005年秋に解体。山岡駅の留置車両は改装の上、2016年7月15日に隣接する山岡駅かんてんかんの森の列車カフェとしてオープンした。
- また、明智駅の留置車両は、大正村のトレインマークがついていた。
- アケチ6形 (6) - 1両
- →詳細は「明知鉄道アケチ1形気動車」を参照
- 1989年4月に富士重工業で新製された増備車で、開業時に投入されたアケチ1形とほぼ同形ながら、車内はオールロングシートとなり、冷房装置を搭載した関係で、一部の側窓が固定式となった[20]。
- アケチ10形導入後は増結用及び予備車となっていた[20]。アケチ100形の導入に伴い、2017年3月31日をもって運用を終了した[22][14]。
保存車両
編集明智駅構内に以下の車両が保存されている。
- C12 244
- 明知線などで使用された蒸気機関車 (SL) で、1973年に廃車後、明智小学校で保存されていたが、2013年12月に明智駅構内に移された[23]。当鉄道で車籍を有した経歴は無い。明知線での動態保存運転を目指しており、2015年8月9日には明智駅構内で圧縮空気を動力としてこのC12が運転された[24][23]。
- 以後、不定期に下記のヨ18080を連結し乗車体験を行っている。
- ヨ18080
- 日本貨物鉄道(JR貨物)から購入した車掌車。体験乗車に使用中。
運賃
編集大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2019年10月1日改定[25]。TOICA、manacaなどのICカードは利用できない。
※単位円
恵那 | ||||||||||
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200 | 東野 | |||||||||
270 | 220 | 飯沼 | ||||||||
320 | 270 | 200 | 阿木 | |||||||
440 | 370 | 220 | 200 | 飯羽間 | ||||||
440 | 370 | 270 | 220 | 200 | 極楽 | |||||
490 | 440 | 270 | 220 | 200 | 200 | 岩村 | ||||
580 | 490 | 370 | 320 | 220 | 220 | 220 | 花白温泉 | |||
580 | 530 | 440 | 320 | 270 | 220 | 220 | 200 | 山岡 | ||
650 | 620 | 490 | 440 | 370 | 320 | 320 | 220 | 220 | 野志 | |
690 | 650 | 530 | 490 | 440 | 370 | 370 | 270 | 220 | 200 | 明智 |
その他の事業
編集山岡駅かんてんかん
編集2014年7月から山岡駅駅舎内に併設されている「山岡駅かんてんかん」の指定管理者となり、レストラン、売店、寒天資料館、オンラインショップを運営している[12]。
バス事業
編集2023年4月から恵那市自主運行バスの運行を受託している[18]。
- 運行路線[26]
-
- [63] 明智駅 - 安主 - 丸草口 (阿妻=横通線)
- [64] 明智駅 - 馬木 - 峰山 - 中沢 (明智=峰山線)
脚注
編集- ^ a b 『歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』26号 3頁
- ^ a b c d e f 鉄道統計年報平成29年度版 - 国土交通省
- ^ 平成30年度鉄道要覧
- ^ a b c d e f 『歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』26号 13頁
- ^ a b 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』平成18年度版、電気車研究会・鉄道図書刊行会、p.136
- ^ a b 今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図帳』7号 東海、新潮社、2008年、p.42
- ^ 明知鉄道の「極楽駅」が開業 - 恵那市、2008年12月26日
- ^ 人気でるかなぁ~?明知鉄道に新駅「極楽駅」 ― スポニチ Sponichi Annex、2008年12月25日
- ^ 明知鉄道 ダイヤ改正より食堂車連結の急行列車運転 - 鉄道ホビダス 最新鉄道情報、2011年2月22日。
- ^ 明知鉄道は食堂車付急行大正ロマン号を増発 - 恵那市、2011年3月12日
- ^ “つり革広告、誰でもOK 明知鉄道が募集、個人にも開放”. 岐阜新聞. (2013年5月31日) 2013年6月1日閲覧。
- ^ a b “山岡駅 かんてんかん”. 山岡駅かんてんかん. 2024年1月15日閲覧。
- ^ “生産量日本一!恵那市山岡の細寒天”. 山岡駅かんてんかん. 20240115閲覧。
- ^ a b “明知鉄道の富士重工業製「アケチ6号」3月末で引退、臨時運転実施”. レスポンス (2017年2月20日). 2017年2月21日閲覧。
- ^ a b c “明知鉄道の新型車「アケチ101」は4月8日から運行開始”. レスポンス (2017年3月26日). 2017年3月29日閲覧。
- ^ 『明知鉄道を活用した郵便物等の客貨混載を開始』(PDF)(プレスリリース)明知鉄道・日本郵便、2019年3月12日。オリジナルの2019年3月14日時点におけるアーカイブ 。2019年3月16日閲覧。
- ^ 『明知鉄道線で貨客混載が始まります!~日本郵便と明知鉄道による宅配貨物等輸送の効率化~』(PDF)(プレスリリース)国土交通省、2019年3月12日。オリジナルの2019年3月16日時点におけるアーカイブ 。2019年3月16日閲覧。
- ^ a b “地域を支える新たな交通、明智と上矢作で自主運行バスの運行が始まる”. 恵那ダイアリー. 恵那市 (2023年4月1日). 2024年1月15日閲覧。
- ^ a b 『鉄道ファン』第38巻第5号、交友社、1998年5月、64頁。
- ^ a b c d e f g h i 『歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』26号 31頁
- ^ 明知鉄道に新型車輌導入アケチ101 - 明知鉄道、2017年3月24日
- ^ アケチ6号さようなら走行のお知らせ - 明知鉄道、2017年2月21日閲覧
- ^ a b “明知鉄道でSL本格運行目指す 初期費用どう捻出”. 読売新聞 (読売新聞社). (2015年8月27日) 2016年2月21日閲覧。
- ^ “岐阜)明知鉄道明智駅でSL走行 復活運行へ一歩”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2015年5月9日) 2015年8月15日閲覧。
- ^ 運賃表2019年10月1日改正 - 明知鉄道、2019年10月29日閲覧
- ^ “恵那地区バス路線図”. 恵那市. 20240115閲覧。
参考文献
編集関連項目
編集- 日本の鉄道事業者一覧
- 小倉沙耶 - 鉄道アーティストで、同鉄道の観光大使を務めている。
外部リンク
編集- 明知鉄道公式ホームページ
- 明知鉄道株式会社 (aketetsu) - Facebook
- 明知鉄道 (@aketetsu4101) - Instagram
- マニアが本物の鉄道員になりました(旧明知鉄道公式ブログ)