幸運数
概要
編集幸運数でない数を篩い落とす方法は以下の通りである。まず自然数の数列を書き出す。
1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 28, 29, 30,
次にこの数列から 2n 番目の数(すなわち偶数)を除き(つまりそれこそが奇数の自然数の等差数列であるが)、数の順番を昇順に変えたまま、また数列を作る。
1, 3, 5, 7, 9, 11, 13, 15, 17, 19, 21, 23, 25, 27, 29,
ここで 2 番目の数である 3 は幸運数である。さらにこの数列から 3n 番目の数(すなわち で割った余りが5の数)を除き、同様に数列を作る。
1, 3, 7, 9, 13, 15, 19, 21, 25, 27,
ここで 3 番目の数である 7 も幸運数となる。次にこの数列から 7n 番目の数(すなわち で割った余りが19または39の数)を除き数列を作ると
1, 3, 7, 9, 13, 15, 21, 25, 27,
この段階で 4 番目の数である 9 は幸運数となる。次は 9n 番目の数(すなわち で割った余りが27,57,91または121の数)を除き、以下同様に無限にこの操作を続ける。そうして取り除く数を増やしていっても残る数が幸運数である。
幸運数は無数に存在し、そのうち最小の数は 1 である。幸運数を 1 から小さい順に列記すると
- 1, 3, 7, 9, 13, 15, 21, 25, 31, 33, 37, 43, 49, 51, 63, 67, 69, 73, 75, 79, 87, 93, 99, …(オンライン整数列大辞典の数列 A000959)
幸運数はポーランドの数学者スタニスワフ・ウラムによって1955年ごろに提案された。「幸運」というのは歴史家のフラウィウス・ヨセフスの逸話「ヨセフスの問題」にかけた意味である。
幸運数は素数と性質を共有する部分がある。幸運数の表れ方は素数定理に近いものがあり、ゴールドバッハの予想は幸運数に対しても拡張される。つまり「4 以上の偶数は 2 個の幸運数の和として表せる」という予想が考えられる。
幸運数かつ素数な数(lucky prime)が無数に存在するかどうかは分かっていない。lucky prime を小さい順に列記すると
- 3, 7, 13, 31, 37, 43, 67, 73, 79, 127, 151, 163, 193, …(オンライン整数列大辞典の数列 A031157)
関連項目
編集外部リンク
編集- Weisstein, Eric W. "Lucky Number". mathworld.wolfram.com (英語).