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無酸素銅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

無酸素銅(むさんそどう、OFC:Oxygen-Free Copper)とは、一般的に酸化物を含まない99.96%以上の高純度のことを指す。日本工業規格では無酸素銅(JIS H 3100, C1020)および電子管用無酸素銅(JIS H 3510, C1011)が規定されている。

残存酸素量は10ppm (0.001%)以下[1]で、高温に加熱しても水素脆化を生じない[2]

広くケーブルの導体として使われている純度99.90%(3N)程度のタフピッチ銅と比較すると、より抵抗や歪みが少なく工業的に優れている。また、ガス放出が少ないために真空機器ガスケット等)に広く使われている[3]

タフピッチ銅と同じく、大気中では表面が必ず酸化する[要出典]

音響機器としての用途

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音響機器電子楽器の用途では、無酸素銅で作られた信号ケーブルをOFCケーブルと呼び、音源(レコードプレーヤーCDプレーヤーアンプ楽器マイクロフォンなど)、録音・編集機器(ミキシング・コンソールエフェクターDATPC専用USB接続オーディオキャプチャーインターフェースなど)、出力機器(スピーカーヘッドフォンなど)を接続するために広く用いている。また、より高純度なハイクラス無酸素銅(主に99.9999%(6N)以上の高価な無酸素銅)を用いて作られたケーブルも存在し、その価格は数万円から数十万円に到る場合もある。

高木(1986)によれば[4]、1972年よりも前に有名な電線会社の技師長が、無酸素銅線により音質が変化するかの実験を行ったとされる[4]

脚注

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  1. ^ 古河電工時報 120号
  2. ^ JWES WEB版接合・溶接技術Q&A1000((社)日本溶接協会
  3. ^ 永井康睦, 酒井修二、「無酸素銅ガスケットにおける塑性変形の観察」『真空』 1990年 33巻 1号 p.21-27, doi:10.3131/jvsj.33.21, 日本真空協会
  4. ^ a b 高木 俊宜、「新材料•新機能デバイス開発の立場から見た90年代のコンセプト」 『電氣學會雜誌』 1986年 106巻 6号 p.514-518, doi:10.11526/ieejjournal1888.106.514, 電気学会

関連項目

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