中心結節
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中心結節(ちゅうしんけっせつ)とは、歯の形態異常、異常結節[1]の一つ。咬合面中央部に出現する、円錐状や棒状の小突起[2]。小臼歯、大臼歯の他、まれに上顎側切歯にも見られることがある[3]が、好発は下顎第二小臼歯である[1]。ただし、小臼歯の物と他の物が同一の物かは議論がある[4][3]。
疫学
[編集]モンゴロイドの特徴とも言われる[5]。第二下顎小臼歯における出現率は1~4%とされる[1]。
破折
[編集]中心結節は萌出直後の咬合や咀嚼により破折することがある[6]。中心結節が大きな物では、結節内に歯髄が有るために露髄し、歯髄炎や根尖性歯周炎を引き起こすことがあり[7]、注意が必要である。
予防
[編集]破折を未然に防ぐために事前の削合[8]や、早期の接着性レジン等による保護[9]、シーラントによる保護が有効とされる[1]が、削合は不顕性露髄の恐れもある[1]。
症状
[編集]歯髄腔が開放されているので、急性歯髄炎の症状が出ることは少ないが、食物残渣が入り込むことによる急性発作を引き起こすことがある[6]。
処置
[編集]露髄した場合、症状に応じてアペキソゲネーシス、アペキシフィケーション等の治療が選択される[9]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e 野田, p.106
- ^ 藤田 他, p. 197
- ^ a b 歯科医学大辞典, p.1727
- ^ 藤田 他, pp. 197-198
- ^ 須田, p.594
- ^ a b 林宏行ら, p.240
- ^ 今村 他, p.26
- ^ 本川 他, p.160
- ^ a b 林玲子, p. 140
参考文献
[編集]- 歯科医学大辞典編集委員会 編『歯科医学大辞典縮刷版』(第1版第6刷)医歯薬出版、東京都文京区、2001年1月20日。ISBN 978-4-263-44010-0。
- 今村基尊、土屋友幸 著「II 歯の異常(形成障害)」、編著代表 町田幸雄、下岡正八 編『小児の歯科臨床[診断と処置]』(初版)永末書店、2002年3月30日、17-40頁。ISBN 4-8160-1116-1。
- 須田英明「最近の歯内治療学について」(PDF)『口腔病学会雑誌』第58巻第3号、口腔病学会、1991年、591-597頁、doi:10.5357/koubyou.58.591、ISSN 0300-9149、NAID 80006112731、JOI:JST.Journalarchive/koubyou1952/58.591、2012年1月15日閲覧。
- 野田忠 著「III.混合歯列期 歯の異常 癒合歯,中心結節」、野田忠、佐々竜二 編『小児歯科臨床プラクティス』(第1版第2刷)医学情報社、東京都文京区、2001年3月20日、106-107頁。ISBN 4-900807-36-2。
- 林宏行、馬場忠彦、畠銀一郎、好川正孝、吉田匡宏 著「104 中心結節を有する歯の処置」、林宏行 編『新装版エンドに強くなる本』イラスト 尾関進(第1版第1刷)、クインテッセンス出版、東京都文京区、2011年10月10日、240-241頁。ISBN 978-4-7812-0227-3。
- 林玲子 著「Q58.中心結節にどう対処する?」、監修者 武藤晋也 編『若い歯科医師の疑問に答えます Q&A70』(第1版)医歯薬出版、2009年7月1日、140-141頁。ISBN 978-4-263-44290-6。
- 原著 藤田恒太郎、改訂 桐野忠大、山下靖雄『歯の解剖学』(第22版)金原出版、1995年4月10日。ISBN 4-307-45007-8。
- 本川渉、久芳陽一 著「第4章 歯の発育」、編集 下岡正八 他 編『新小児歯科学』(第1版)クインテッセンス出版、1996年2月10日、51-78頁。ISBN 4-87417-501-5。