Scilab
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ここでは、Scilabと呼ばれる数値解析ソフトウェアについて学ぶチュートリアルを提供します。Scilabは、フランスのINRIA(国立情報学自動制御研究所)で1980年代に開発された高水準の計算環境であり、科学技術計算やデータ分析に広く利用されています。Scilabはオープンソースであり、誰でも自由に利用することができます。このチュートリアルでは、Scilabを使って簡単な数値計算から複雑な数学モデルの解析までを学習するための手順を提供します。
Scilabの導入
Scilabとは何か
Scilabの特徴
Scilabのインストール
Scilabの基本操作
Scilabのデータ型と演算
スカラー、ベクトル、行列、テンソル
演算子と関数
変数と代入
数学関数と統計関数
Scilabの制御構造
条件分岐(if文)
繰り返し(for文、while文)
ブロック構造(begin-end、case-of)
Scilabでのグラフ描画
グラフ描画の基本
2次元プロット
3次元プロット
グラフのカスタマイズ
Scilabでの関数定義とデバッグ
関数の基本
グローバル変数とローカル変数
引数の渡し方
デバッグの基本
Scilabでの線形代数
行列演算の基本
行列の作成と操作
行列分解(LU分解、QR分解、SVD分解)
行列の特異値分解
Scilabでの数値計算
数値微分と数値積分
常微分方程式の数値解法
偏微分方程式の数値解法
線形方程式の数値解法
Scilabでの信号処理
サンプリングと量子化
離散時間信号と連続時間信号
フーリエ変換と逆フーリエ変換
フィルタ設計とフィルタ適用
Scilabでの統計解析
統計量の基本
仮説検定
回帰分析
主成分分析
Scilabの応用例
機械学習の実装
シミュレーションと最適化
ロボットの制御
複雑系の解析
用語集
- Scilab: 数値解析・科学技術計算用のオープンソースの高水準プログラミング言語。MATLABに類似した文法を持ち、線形代数、最適化、シミュレーション、信号処理、画像処理、数値積分、微分方程式、統計解析などの機能を備える。
- Workspace: Scilabが認識している変数、およびその値を表示する領域。
- Console: Scilabコマンドの入力と結果出力を行う領域。
- Editor: Scilabスクリプトファイルの作成・編集を行う領域。
- Function: 処理を行う一連のコマンドをパッケージ化したもの。
- Script: Scilabコマンドを順番に実行するファイル。
- Comment: スクリプト内に埋め込む、人間が理解しやすい解説用の文章。
- Variable: 数値、文字列、行列、グラフなどのデータを格納するために用いられる名前付きの箱。
- Matrix: スカラー値およびベクトルを1つのオブジェクトとして扱うためのデータ構造。
- Vector: 1次元の数値配列。
- Sparse matrix: 行列の非ゼロ要素のみを記憶した、メモリ効率が高い行列。
- Array: 1次元、2次元、あるいはそれ以上の次元を持つデータ構造。テンソルのように多数の次元も扱える。
- Command window: Scilabから操作される各ウィンドウの簡易版。コマンドを入力し、実行結果を表示できる。
- Graphics window: 2D/3Dグラフィックを描画するためのウィンドウ。
- Handle graphics: Scilabで描画されるグラフィックをハンドルにより扱う方式。
- Scicos: Scilabの拡張モジュールで、システムダイナミクス、制御系設計、信号処理、画像処理、電気回路設計などに用いられる。
- Xcos: Scicosの改良版で、システムダイナミクスのモデル化・シミュレーションを行うためのツール。
- ATOMS: Scilabのオンラインパッケージ管理システム。Scilabに追加機能を提供するためのモジュールが多数公開されている。
- MList: Scilabでのファイル入出力用のフォーマット。MATLABの.mファイルと同様に、「変数名 = 値」という形式で保存される。
- FPU: 浮動小数点演算器。Scilabはこれを使用して高精度な計算を行う。