診察時間終了1時間前ほどから、早く帰りたくてソワソワし始める獣医師youです。
こんにちは。
いつもお越しいただきありがとうございます。
登場人物紹介◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
;筆者です。動物のお医者さんやってます。割とポンコツです。
毎晩、妻さんと…ゾンビを倒すのが日課になっております。
ゾンビの世界だったら、間違いなくゾンビ陣営に属していると思います。
;動物看護師長。おたアヒママ(おたまアヒルのママ)。言いにくい。
アクションゲームが苦手…と言いながら、実はゾンビが怖いだけ。
毎回くだらない言い訳を並べて世界を救うことから目を背けようとします。
;走り方が独特な2歳半児。新人1号。おたまと呼ばれる。
オバケはあんまり怖く無い様子。
というか、オバケの概念がわかっていないと思われる。
;アヒル先生。新人2号。顔が人間らしくなってきた。
皮膚が弱いらしく、自分でホッペを掻いてしまう。
朝、血だらけになっているのを見た時はある意味ホラーでした。
…正直、困ってます。
;訳あって集まって来た動物たち。
一日中、暇なのか構って欲しくてしょうがないおこげちゃん
仲の良いワンちゃんが来ると発狂します。
ちょっと遊んでもらおう、と見ているとたいてい相手がバテてしまう。
当院一の体力オバケ。
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今年の節分は2月2日だったこと、知っていましたか
節分というのは2月3日で固定だと思っていたのですが、どうやら「春分の前日」のことだったらしいです。
しかも、2月2日に節分をやるのは120年以上ぶりとのこと。
一生に一度有るか無いかという貴重なものでした。
…なんでこんな話をしたかというと、
とあるお寿司屋さんのポスターに、「今年の節分は2月2日!恵方巻がなんたら」と書いてあったのを見て、間違えちゃったんだなぁと思っていたポンコツ(→コイツ)がいたからでした。
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さ、今回で最後になります。
デキモノ(腫瘍)ができたときに何を考えるか。
できたからと言って慌てる必要はありませんが、大きくならないから…丸い形してるから…と安心してもいけませんというお話でした。
良いものと悪いものを見分ける方法も限定されている…というところまでわかりました。
では、どちらの方法がいいのか。一緒に考えてみましょう。
【症状から考えるシリーズ】デキモノを見つけた時にはどうする?(腫瘍について)①
【症状から考えるシリーズ】デキモノを見つけた時にはどうする?(腫瘍について)②
○確定診断への道①(細胞診)
その名の通り、「細胞を診る」ことで診断をしていきます。
どうにかして細胞を取って、染色液で染めて、顕微鏡でみます。
デキモノ(腫瘍)以外にも、分泌物や関節液・腹水・胸水・リンパ節などありとあらゆるもので検査する事ができます。
要は、細胞をとる事ができれば良いわけですから。
〈デキモノ(腫瘍)の細胞の採取方法〉
・針を刺す
・デキモノの表面に傷をつけてガラスをペタペタと押し当てる
のどちらか。
【メリット】
・比較的簡単にできる検査
・結果が出るまでが早い(1〜5日ほど)
・部位にもよりますが、麻酔をかけずにできる事が多い
・麻酔をかけないで良いという事は、費用も抑えられる
【デメリット】
・確定診断にならない時がある
・そもそも、診断に使える細胞が採取できない事もある
・麻酔が必要かどうかは、部位だけでなく性格的な問題も考える必要がある
簡単にできるのは良いですが、診断にならないのは困ったところですね
○確定診断への道②(病理検査)
組織と呼ばれる単位の検査。
つまり、デキモノ(腫瘍)自体をとってきて特殊な処理をし、薄くスライスして顕微鏡で見ます。
デキモノ(腫瘍)以外にも、皮膚や腸・リンパ節・骨など採取できるものなら何でも検査する事ができます。
〈デキモノ(腫瘍)の組織の採取方法〉
基本的に手術になります。
【メリット】
・確定診断に最も近い検査。(100%とまでは言いませんが)
・検査で得られる情報量が多い(細胞診は細胞がバラバラ、病理検査は細胞の並び方までわかる)
・悪いもの(ガン)だった場合、治療も兼ねる事ができる(悪い部分をとってしまうわけですので)
【デメリット】
・結果が出るまでに時間がかかる(1~2週間くらい)
・大抵、麻酔をかける必要がある。
・手術になるので、費用がかかる
・年齢や体の調子の問題から、麻酔をかけられないこともある。
麻酔がなぁ…と思われる方も多いです。
○確定診断を出すことの意味
何も興味本位で検査をしていくわけではありません。
大まかには、
・治療法を探すため
・今後どうなっていくのか(どう体調や寿命に影響するのか)予測を立てるため
抗がん剤をはじめ様々な治療法は、敵(腫瘍)の正体を知らないと使えないものが多くあります。
○腫瘍のときには他の検査もされたけど…
今回は「確定診断を出す」ということに焦点を当ててしまいましたが、その他の検査も重要です。
・今現在、身体に影響は出ていないのか血液検査、尿検査
・他のところに転移はしていないのかエコー検査、レントゲン、CT、MRI
など
麻酔をかけるのであれば、尚更やらないといけない可能性が高いです。
いかがでしょう。
デキモノができたーと慌てていた方、よくわからず手術までしていた方、少し頭の中は整理できたでしょうか。
悪い腫瘍だったにせよ、良い腫瘍だったにせよ、早めに診断する事が何よりも重要である事はお伝えしておこうと思います。
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“明日から使える生き物の不思議クイズ”
Q;昆虫はどうやって呼吸しているでしょう
A:もちろん、口から。
B:動体に空気穴がある
C:お尻の穴から
A;
…そう言われてみると、どこで呼吸しているのでしょうか。
昆虫に肺はありません。
てことは、そもそも呼吸してないの
と思ってしまいますが、そうではありません。
試しに口を水の中に入れてみるとわかるのですが、そんなことをしても苦しくありません。
それは、動体に空気穴があるから。
哺乳類から考えるとわけわからない構造をしているのです。
ということで、答えはBの「動体に空気穴がある」でした。
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〜番外編〜
先日病院犬の暇を持て余しているおこげちゃんを連れて
近くの公園へお散歩しに行ってきました
普段病院の周辺しか知らない彼女は
知らない匂いに大興奮
「おたまちゃんがおこげちゃんのおさんぽしゅるーーーー!!」
と意気込んでいたおたまちゃんでしたが、
力量不足により、手綱を一任してもらえず…
それでもどうしても任務を果たしたいと豪語するので、
『パッパと二人』という条件付きで任務遂行
ちょっぴり不思議なお散歩光景となりました