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▼『ライオン・キング:ムファサ』あらすじ
両親と生き別れ孤児となった幼いムファサは、王家の血をひくタカ(のちのスカー)に助けられる。行動をともにする中で、血のつながりを超えて兄弟の絆で結ばれるムファサとタカ。ところが、冷酷な敵ライオン・キロスの襲撃によって、穏やかな日々が一転。群れを守るため、ムファサとタカは約束の地・ミレーレを目指して過酷な冒険の旅に出る。孤児から王へと自らの運命を切り拓くムファサと、彼の運命を変える“弟”タカ。旅の果てに待ち受ける真実とは――。
両親と生き別れ孤児となった幼いムファサは、王家の血をひくタカ(のちのスカー)に助けられる。行動をともにする中で、血のつながりを超えて兄弟の絆で結ばれるムファサとタカ。ところが、冷酷な敵ライオン・キロスの襲撃によって、穏やかな日々が一転。群れを守るため、ムファサとタカは約束の地・ミレーレを目指して過酷な冒険の旅に出る。孤児から王へと自らの運命を切り拓くムファサと、彼の運命を変える“弟”タカ。旅の果てに待ち受ける真実とは――。
名作ぞろいのディズニー映画の中でも別格、『ライオン・キング』はディズニー最強のコンテンツ
アニメーション版『ライオン・キング』が公開されたのは、1994年のこと。90年代は『美女と野獣』『アラジン』などが生まれたディズニーの黄金期として知られているが、この時代の頂点に立つのが『ライオン・キング』で、当時ディズニー史上最大のヒット作となった。
そこから、ミュージカルの舞台やビデオ作品、テレビシリーズ、超実写映画へと広がっていくのだが、そのどれもが規格外の大ヒット。たとえば、1998年に開幕した劇団四季のミュージカル『ライオンキング』は、今も前人未到のロングラン記録を更新中で、“国民的ミュージカル”として親しまれている。また、2019年に公開された超実写版『ライオン・キング』は、あの『アナと雪の女王』を上回り、それまでのディズニー映画の興収記録をことごとく塗り替えた。
そんな『ライオン・キング』の世界に新たに加わったのが、超実写映画『ライオン・キング:ムファサ』。シンバの父ムファサが王になる前の物語だが、単なるスピンオフや前日譚ではないところがポイント。その魅力を紐解いていこう。
ファンなら絶対に見逃せない『ライオン・キング』はじまりの物語
ディズニーのファンにとって心をくすぐられるのは、『ライオン・キング』のバックストーリー的な要素が満載されていること。ムファサの生い立ちはもちろん、彼がラフィキやザズーといったおなじみの仲間たちといかにして出会い、友情を深めていったのか。いかにして偉大な王になったのか。同時に、動物たちの王国《プライドランド》の歴史も知ることができる。
こうしたバックストーリー的な要素によって、キャラクターがより深みを増し、ドラマがいっそう面白くなる。ひいては、『ライオン・キング』の世界全体が輝き出す。それがファンにとってはたまらない。
その動物たちの名演技を声で支えるキャストにも、ご注目を。2019年の超実写版『ライオン・キング』では、歌姫ビヨンセがナラ役をつとめて話題を呼んだけれど、本作で注目を浴びているのは、ビヨンセの愛娘ブルー・アイビー・カーター。ナラとシンバの娘でプライドランドの未来を担うキアラの声を、とびきりキュートに演じている。ビヨンセもナラ役を続投し、母娘共演が実現した。
超実写プレミアム吹替版では、なんといってもムファサを演じた歌舞伎界のプリンス、尾上右近と、タカを演じたTravis Japanの松田元太の掛け合いが見逃せない。ムファサを狙う冷徹な敵ライオン、キロスを演じた渡辺謙の圧倒的な存在感にも、鳥肌が立つこと間違いなし。
ミュージカルナンバーも秀逸! 物語を彩るこだわりの音楽に耳を傾けて
アニメーション版『ライオン・キング』のサウンドトラックは、今もディズニー史上最多セールスを誇るベストセラー・アルバムで、「サークル・オブ・ライフ」や「愛を感じて」は誰もが知る名曲。にもかかわらず、『ライオン・キング:ムファサ』には使われていない。それはディズニーのミュージカル作品における劇中歌が、あくまで特定のストーリーを語るために作られたものだから。
♪「遥かなミレーレ」
本作ではムファサの旅路が描かれるが、彼が目指すのは、幼いころ両親から聞いた約束の地《ミレーレ》。それがこの曲で示される。希望に満ちたスケールの大きなバラードで、スクリーンに映る夢のような光景とともに、強く印象に残る。
♪「ブラザー/君みたいな兄弟」
兄弟となったムファサとタカが、その喜びを歌に込めて、ずっと変わらぬ絆を誓い合う。弾むようなポップな曲調にもかかわらず、聞いている私たちは、ふたりを待ち受ける運命をすでに知っているので、ちょっぴり切なくなってしまう。
キロスがラテンのリズムにのせて歌う悪役ソングだが、なぜか耳について離れない。リン=マニュエル・ミランダが手掛け、2022年に異例の大ヒットとなった「秘密のブルーノ」(『ミラベルと魔法だらけの家』より)にも通じる、クセになる1曲。
♪「聞かせて」
恋に落ちたムファサとサラビがデュエットするこの曲は、アニメーション版の「愛を感じて」に匹敵する美しいラブバラード。超実写プレミアム吹替版でサラビを演じたMARIA-Eの歌唱が圧巻。
他にもミランダ渾身のすばらしい楽曲がそろっているので、ぜひサウンドトラックもチェックしてほしい。ちなみにアニメーション版で誕生した中から1曲だけ、あの名コンビが歌っていたユニークなナンバーが、替え歌になって登場するシーンがある。何の曲かは観てのお楽しみ!
『ライオン・キング』の世界に新たな魅力を加えてくれた『ライオン・キング:ムファサ』。この映画を観れば、おなじみのキャラクターたちがより愛おしく感じられるに違いない。そう、スカーでさえも。劇場に足を運ぶ前に、できればアニメーション版か、前作『ライオン・キング』(2019)を見直しておくことを強くおすすめしたい。そのほうがきっと何倍も楽しめるはずだから。
監督:バリー・ジェンキンス
プロデューサー:アデル・ロマンスキー、マーク・セリアク
製作総指揮:ピーター・トビヤンセン
<超実写プレミアム吹替版>
声優:尾上右近、松田元太(Travis Japan)、MARIA-E、吉原光夫、和音美桜、悠木碧、LiLiCo、賀来賢人、門山葉子、佐藤二朗、亜生(ミキ)、駒谷昌男
原題:Mufasa: The Lion King
エンターテイメントライター・構成作家 うきたひさこ氏
映画や音楽、ミュージカルなどについて幅広く執筆活動をしているライター/構成作家。とくにディズニー作品の魅力を伝えるのは、ライフワークのひとつ。ライナーノーツを手がけたディズニーのアルバムは50作品以上。月刊誌「ディズニーファン」(講談社)の連載は300回を突破!
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